なぎさホテル (小学館文庫 い 31-12)
なぎさホテル (小学館文庫 い 31-12) / 感想・レビュー
ケイ
これを真似して、一人海のそばの街に降り立ち自分を世話してくれるホテルはないかと思う若い男はいるだろうか。普通はこんなことは起こらないのだ。小説ならば、なんて甘いことを適当に書いて…と思うだろうが、伊集院静氏の視点を通してではあるが、ほぼ本当のことだろう。だから、人達が息づいている。そして、とても魅力のある若い男だったのだろうと思う。手を差し伸べずにはいられなかった支配人。そこのホテルは、年に一度は、皇太子夫妻が食事に来られる程の格を持つところだったのに。他人とこんな関係性を築けるのは伊集院さんの度量だ。
2020/11/07
chimako
これは小説のくくりだけれど、伊集院静氏の思い出話を聞いているような読み心地。「あの子のカーネーション」に始まった文春連載のエッセイをたくさん読んだ身としては、どこかで目にしたエピソードも多く落ち着いて読み進めることができた。それにしても、なぎさホテル。支配人のI氏。懐の広さと深さで青年伊集院静を包み込む。三度の結婚。生き別れ、死に別れ、飲んだくれ、行倒れ、助ける人がいて、愛されることになる。人は時として自分の意思とは関係ないところで不思議な縁を結ぶ。あの時逗子に降り立った伊集院静は何に呼ばれたんだろう。
2018/06/28
Shoji
誰しも人生は山あり谷ありだと思う。 こういう風に人生の出来事を活字にできるっていいなと思った。 派手さはないけど、染み入るいい文章が綴られています。 人生っていいもんだなとつくづく思いました。
2016/12/10
kei302
自伝的エッセイ。人たらしと言うか、人を惹きつける何かが備わった人なのか。削ぎ落とされた部分が意味深で、そこをあえて書かないのがよい。桑田佳祐の「なぎさホテル」もこの機会に聴いてみたい。
2023/12/30
かいちゃん
伊集院静さんの本は初めてです。7年間で宿泊費はおいくら万円になったんでしょうか。K寿司に行ってみたいものです。
2019/10/11
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