ビートルズを呼んだ男 (小学館文庫 の 4-6)
ビートルズを呼んだ男 (小学館文庫 の 4-6) / 感想・レビュー
びす男
面白い!それ以上に、あまり読まれていないようなので驚いた。興業師という仕事を軸におきながら、ビートルズの来日公演に携わった様々な人々の証言が残されている。主人公の永島達司、警備に携わった当時の大人たち、さらにポール・マッカートニー本人やファンにまで話を聞いており、「1966年夏に何が起きたのか」を多角的に描き出している。ビートルズ来日に向けてぎゅっと収束され、その後ふたたび影響が分散されていくような構成も印象的だった。久々の、衝動買いがヒット。これだから読書は楽しい。
2017/04/23
ホークス
元本は1999年刊。ビートルズ来日を実現した「呼び屋」、永島達司の評伝。呼び屋の仕事は時代を読むバクチに似ている。怪物と呼ばれボリショイサーカスで当てた神彰、リンボーダンスをブームにした樋口玖、アリVS猪木戦の康芳夫らのエピソードには荒っぽい時代も反映している。本書のメインは1966年ビートルズ来日時の群像劇。興行側の永島たち、警備側の警察と消防、ファンの少女、ビートルズのメンバーが生き生きしている。ビートルズは本当に音楽を変えた。初めて聴いた1974年でも、歌謡曲や海外ポップスが私には急に色褪せて見えた
2021/09/18
パトラッシュ
社会現象まで引き起こしたビートルズ来日を実現した永島達司を中心に、知られざる戦後芸能史を明らかにする。呼び屋とかプロモーターと呼ばれる人は金や醜聞絡みの噂と共にあり、得体の知れない存在だった。しかし彼らがいたからこそ戦後日本は最新の洋楽を生で聴けた。ネット時代の現代人には想像できない欧米と日本の音楽情報ギャップを埋めるため、彼らは必要だったのだ。昭和の音楽を豊かにした功績は大きいが、彼らが存在し得たのも一切がご破算になった敗戦あればこそだった事実も見えてくる。今の日本を立て直すには第二の敗戦が必要なのか。
2020/09/30
スプリント
主人公の生き様に惹かれます。 同時代を生きた他の呼び屋たちの境遇と対比させたことで主人公の独特なスタンスが際立ったと思います。
2017/05/29
p-man
呼び屋と言われた興行師達。海千山千、アクの強い男達の中で、紳士な永島達司氏。だからこそ、多くのアーティストが、彼を慕い来日したのだと思う。 ビートルズ来日という大きな出来事の裏には、沢山のドラマがあり、非常に興味深かった。 余談ながら、平成のよふけという番組に興行師、康芳夫が出ていたのが強烈な印象として残っている。
2017/06/20
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