風の向こうへ駆け抜けろ (小学館文庫 ふ 1-1)
風の向こうへ駆け抜けろ (小学館文庫 ふ 1-1) / 感想・レビュー
さてさて
『どんなに苦しいことがあっても、そのだめな状態がずっと続くわけじゃない』と語る古内さん。私たちにはどんな時でも『誰にでも死力を尽くす権利があ』ります。そして、その先に訪れる未来に輝く光を見る権利だってあるはずです。勇気を振り絞ることの大切さ、前を向いて歩いていくことの大切さ、そして希望を諦めないことの大切さをそっと教えてくれたこの作品。風の向こうへと駆け抜けたその先に見える未来にじわっと湧き上がる熱い思いを噛みしめたくなる、そんな古内さんの絶品だと思いました。
2020/11/30
のんき
瑞穂は、競馬の女性ジョッキー。男性社会だし、セクハラもあるし、なかなか勝てません。ジョッキーにも、いろんな人がいるし、馬にも、人と同じようにいろんな馬がいるんだな。そして、調教師や馬の世話をする厩務員、馬主など多くのの裏方さんのおかげで支えられていると、よくわかりました。瑞穂が馬のフィッシュアイズに騎乗して、人馬一体となって走るところが一番好きな場面。一番になれなくても、馬を信じて、自分を信じて走る。馬もジョッキーを信頼してる。瑞穂にとっても、嬉しいし、気持ちよく騎乗できるよね
2019/04/30
papako
なんて本を電車で読んでしまったんだ!もう涙こらえるのに必死でした。地方競馬で新人女性ジョッキーが、厩舎の皆を巻き込みながら成長する。馬も人も一癖も二癖もある緑川厩舎。地方の力をみせつけろ!そして誰より何よりツバキオトメ!なんて素敵な馬なんでしょうか!レースでがんばる心意気に、魚目のフィッシュアイズに寄り添う姿に、もううるうるでした。あー、続編買っていないことが悔やまれる。ツバキオトメにまた会いたい!楽しかった!
2017/10/10
名古屋ケムンパス
爽やかな青春スポ根小説です。斜陽の地方競馬に参加している弱小厩舎。藻屑の漂流先と揶揄されるこの厩舎の調教師・厩務員たちは何れもポンコツでした。その厩舎に教養センターの優等生ジョッキーの芦原瑞穂が配属されます。周囲の侮蔑に耐え、勝利にこだわる彼女の競馬へひたむきな姿勢は、次第にポンコツ者たちをして中央競馬に自厩舎の馬を出走させるために心血を注ぐ集団に生まれ変わらせます。果たして、桜花賞の夢は叶うのか、読者も瑞穂とともに第4コーナーを回って懸命に疾走します。
2022/08/30
どぶねずみ
女性ジョッキーの成長物語。競馬のことは何もわからずに読んだが、中央と地方の違い、厩舎、厩務員の話、何より馬の性格の違いを知るのは新鮮だった。もちろん、女性であることの厳しさも。過去に牧場で馬を飼育する小説を読んだことがあるが、馬はとても性格が穏やかで、人間(懐いた飼育員)の心がよくわかるということは知っていた。本書は競馬の話で、厩務員だけでなく、ジョッキーと心を一つにしてレースに臨む勇敢さやレースの臨場感を味わえて楽しかった。早速2巻も読んでみよう。
2022/01/07
感想・レビューをもっと見る