愛される資格 (小学館文庫 ひ 14-1)
愛される資格 (小学館文庫 ひ 14-1) / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
『タモリ論』の樋口毅宏が週刊ポストに連載した官能小説。しかしただの官能小説ではない。しかもいつもの樋口毅宏の悪辣な小説ではない(むろんそんな描写はあれこれとある)。正直、泣いてしまった。文庫本あとがきによると、今は亡きある書店員さんから「最高傑作」と評されたそうだが、確かにそうとも言える。主人公が嫌いな上司の妻を寝取るのだが、そんなピカレスクが人生の哀歓に呑み込まれる。男が大人になるという事の小説である。どんな人生だって一生懸命ならばバカにできない。それぞれの冬の寒さを、みんな隠している(©玉置浩二)。
2017/12/13
くるり
面白かった。激しい性描写も多い上に私とは異なる思想が強かったりして(落ちた大学を批判されているのはちょっと気まずかった)読むのがしんどいところもあったが、最後まで一気読みだった。この小説は「官能」でも「純愛」でもない気がする。だったら何と言われたら困るけれど、少なくともその二つではないかな。男性作家の書く女性はとても強かで、私はそれになりたいといつも思う。最後の方はどこか『チュベローズで待ってる』ぽさを感じる場面もあって、オマージュされた所を探すのも楽しかった。稚拙なことしか言えないけれど、本当に面白い
2024/04/28
かわちゃん
2019年の読了、未登録本。 さすが樋口さん。官能小説からの純愛小説かと思いきや、ジャンルレスの構築。
2019/12/31
KOHDA
面白かった。官能ってほどでもないし、純愛ってことでもないかな…。後半からは一気読みでした。生きてる、生きてくだよね、みたいな。大人になりきれず、悶々ともがきながら、不倫を通し、男女の関係、上司、同僚、友人、家族、それぞれとの関係、一人の男の性春、性長ストーリー?かしら。
2017/11/28
sidmar arai
理不尽な上司の美しい奥さんを寝取った男の物語。エロ小説としか思えない描写が延々続く。通勤電車でこれは辛い。ただここまで振り切ってるんだからきっと何かあるんだろうなと、気になって結局一気読み。どん引きするほど濃厚なのに読後感はなぜかすっきり。
2018/02/07
感想・レビューをもっと見る