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赤道 星降る夜 (小学館文庫 ふ 1-2)

赤道 星降る夜 (小学館文庫 ふ 1-2)

赤道 星降る夜 (小学館文庫 ふ 1-2)

作家
古内一絵
出版社
小学館
発売日
2018-08-07
ISBN
9784094065480
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赤道 星降る夜 (小学館文庫 ふ 1-2) / 感想・レビュー

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yanae

古内さんの戦争をテーマにした話。ブラック企業に犯罪者に仕立てられてしまった達希。自殺を止めてくれたのは、死んだはずの祖父の霊。祖父の隠し財産で借金を肩代わりする代わりに、ボルネオへ向かい、ある手紙を届けるように頼まれる。あとがきを読んで、古内さんが実際に出会った人が今回の作品のきっかけになったとか。祖父が体験した戦争のくだりは辛かったけど、実際に起こったこと。一般の人が多く犠牲になったことは悲惨以外の何物でもない。今のボルネオで歓迎されたことはすごいこと。「赦し」に甘んずることなく平和を考えないと。

2019/02/08

papako

良かった!自殺しようとした孫の達希の元に死亡した祖父勉の幽霊が現れ、二人でインドネシアに人探しに行くことに。そこで出会った霊が見える少女雪音と共に、知らなかった祖父の戦争体験に触れることになる。勉の経験した戦争、達希が勤めていたブラック企業、雪音のあったいじめ、その3つの構造の酷似が怖い。極限状態に追い込まれる戦争、判断出来ないのは当然だけど、そこで行われた悲劇の歴史は忘れちゃいけない。勉の『自分のやったことにだけ責任をとれ』これだよね。巻末の作者の取材記録も良かった。現地の方が歓迎してくれるのがすごい。

2018/11/13

達ちゃん

わずか70年ちょっと前に本当にあった戦争という真実。戦争のむなしさ、やるせなさが胸に刺さります。もっともっと多くの人に読んでほしい、知ってほしいと思いました。

2019/01/23

ざるこ

美しいタイトルには嗚咽を漏らすほどの悲劇が隠されていた。自殺を図った達希が祖父の霊に助けられるというフィクションな始まりだけど、祖父の願いを叶えるためボルネオに渡ってからの祖父の回想は史実に基づいているそう。戦争の地で酷い粛清を行う上官たち。歯向かうことも出来ず自分が何と戦っているのかさえわからなくなる。現地人を巻き込んだ悲劇は胸が痛い。それでも赦し前を向くことが平和に繋がるという。その寛容さには頭が下がる。赤道直下の地で燦然と輝く星の下散っていく命。臨場感のある物語は恐ろしくて悲しくただただ泣けてくる。

2020/06/30

ぽろん

戦争とはなんと人の心を壊してしまうのか。残忍な行為も戦争という名のもとに正当化されてしまう。命の大切さを、平和な現代の有難さを痛切に感じた。

2018/08/27

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