森から来た少年 (小学館文庫 コ 3-3)
森から来た少年 (小学館文庫 コ 3-3) / 感想・レビュー
ナミのママ
ストーリーよりキャラクターが面白くて読みきってしまった感じ。タイトルは少年だがすっかり大人になった調査員のワイルド。森に独りでいるところを発見された過去がある。孫から相談されて動き始めるのは祖母で弁護士のへスター。この2人がメインとなり少女の失踪事件を調査し始める。どんどん話が膨らみ某大統領を想像、恋愛要素も少し加わり、バラエティー豊かな作品。続編ではワイルドの過去がわかるのかな、ちょっと期待。
2023/11/12
Panzer Leader
「第210回海外作品読書会」題名から推察される三十数年前に野生児として発見されたワイルドの出自を巡るお話と思いきや、これは本筋とはあまり関りが少なくアレアレてな感じ。この作家の作品は一体どこに行き着くのか分からないのが特徴なんだけど、今作は後出しじゃんけん的な真相も含めまあ想定内で収まった。このモテモテ元野生児ワイルドと恋するおばあちゃん弁護士へスターのキャラを楽しむ作品であると言えよう。
2022/09/15
seacalf
ハーラン・コーベンはマイロン・ボライターシリーズが大好きだったので、どうしても期待してしまう。タイトルから見ると野生味たっぷりのモテ男ワイルドが主人公だが、この小説の肝はなんと言っても70代の女性敏腕弁護士ヘスター。公私にわたる彼女の真っ直ぐな行動が溜飲を下げてくれる。さすがコーベン、まとまりなく思えた展開も終盤にかけて無駄なく畳み掛けてきて、ページターナーっぷりを遺憾無く発揮。子供らが幼稚過ぎていまいちだが、大人は魅力的な人物揃い。続編ないと勿体ないくらい。まさかの井上順の解説も軽いが意外と良かった。
2022/05/12
goro@80.7
題名からは主人公は少年かと思いきや大人になってからのお話でした。亡くなった友人の高校生の息子からいじめられていた同級生の女の子の行方を捜してほしいと頼まれるワイルド。そして虐める側の男の子も行方不明となったところから事件は意外な方向へ。現在のアメリカを揶揄するような大統領候補がらみとなりながらもそれぞれの家族を巡る問題も交錯してゆく。始めから喪失しているワイルド、息子を失くした弁護士へスターなど多彩な人物を配して最後は再生してゆくコーベンの手腕が心地いい。
2023/01/25
タツ フカガワ
学校でイジメにあっていたナオミが姿を消す。同級生のマシュウは弁護士の祖母に相談し、祖母はワイルドという男に行方を探るよう依頼する。34年前、ニュージャージーの州有森で自活していたところを発見された6~8歳ごろの少年、それが現在のワイルドだった。まもなくナオミをいじめていたクラッシュが誘拐され、犯人から両親へ身代金代わりにあるデータが要求される。プロットは面白いけれどH・コーベンには珍しくいまいち盛り上がりに欠けた作品でした。終盤、次期大統領候補がD・トランプと重なってこれは面白かった。
2023/07/20
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