海をゆくイタリア (小学館文庫 う 13-3)
海をゆくイタリア (小学館文庫 う 13-3) / 感想・レビュー
KAZOO
古い木造帆船のオーナーとなった内田さんの6年間にわたる船上生活を男性船長の語りということで書かれた航海日誌の様なものです。何故かということは前文に書かれています。6年間べったりということではなくこの本に収められている12の航路の様子が収められていて楽しくなります。それぞれの寄港する土地などの友人とのやり取りや食事の様子なども読んでいて楽しくなります。日本ではできないのでしょうが、うらやましくなりました。
2023/01/22
pohcho
イタリアで古い木造帆船の船主となり船上生活を送ったことのある内田さんが、自らの経験と海仲間から聞いた話をまとめたもの。ご本人は登場せず船長シルヴェリオが書いた航海日誌という形をとっている。イタリア半島を巡る12の航路。巻頭の地図で位置を確認しながら読み進める。新鮮な魚貝を使ったスープやスパゲッティがすごく美味しそう。水分補給はワインでする(!)という強者の船長。かつて犬のダルメシアンの毛皮が海図だったという話が興味深かった。蛸のアルフレッドには驚き。のんびりゆったりと旅に出かけた気持ちになれる本。
2022/01/25
いーたん
イタリアものが好きで、最近、海や船にハマっているため、喜び勇んで手にした一冊。帆船で140日かけてイタリア半島を巡るなんて、夢のよう。船長シルヴェリオの航海日誌には、美しいイタリアの海岸線と、港で隣合わせた船の船長やあちこちにいる陸の友人たちと酌み交わすワインと海の幸陸の幸の数々。イタリアはなんと豊穣で個性的な地域がたくさんあるのだろう!あ〜旅行に行きたい! 航海の終わり近くのヴェネツィアで秋を迎えた船長が呟く、「まだ私に夏は訪れるのだろうか」の1行に目が止まり、自問する。私に夏は訪れていたのだろうか。
2021/11/12
えいなえいな
なんとなく紀行文が読みたくて手に取りました。イタリアの海を旅する日々なんて素敵だな、と思います。海にはまったく縁がない人生を送ってきましたが、今でも海沿いの街に住むのは夢ですし、来世は海に関わりたいと考えています。 本作は内田洋子さんが男性である船長の名を借りて航海日誌を書いている体となっています。しかし女性が書いているということが出てしまい、情景や色彩が豊かで、イタリアの美しい風景が目に浮かんできます。その分、船長の力強さなんかは今ひとつとも思いました。本当は内田さん目線の航海日誌が読みたいのですよね。
2021/11/10
スプリント
イタリアを船で一周し、行く先々の港で旧交を温める旅行記です。 途中から旅に参加する犬のアモス、ネット中毒者のラリ・ネットが良い味を出しています。 ラストも心地良い余韻を与えてくれます。
2021/10/20
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