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きみはだれかのどうでもいい人 (小学館文庫 い 49-1)

きみはだれかのどうでもいい人 (小学館文庫 い 49-1)

きみはだれかのどうでもいい人 (小学館文庫 い 49-1)

作家
伊藤朱里
出版社
小学館
発売日
2021-09-07
ISBN
9784094070606
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きみはだれかのどうでもいい人 (小学館文庫 い 49-1) / 感想・レビュー

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そる

私は仕事はできない方だと思う。経験年数の自負で自分を保ってるけど、この小説の、できない人の立場はわかるし、できる人がこういう風に考えているのかと勉強になる。自分だけがうまくいかないかわいそうな人、ってずるい。こっちにも傷つくこと辛いこと、あるのに。人の粗探しして毒吐いてないと今日を乗り切れない。そうかそういうことを考えているんだね。みんな強くない。「「自分だけが我慢すればいいなんて、簡単な話じゃないですよ。そうやって我慢する人がいるから、そこにつけ入る人や八つ当たりする人もいなくならないんです。(略)」」

2024/07/15

あきら

読み進めるのがものすごくしんどい話でした。 悪意は連鎖して伝染しているからこそ、自分の未熟ゆえ、となんとか自身を肯定できる。 けど、それがとどまると、それはいつまでも自分を苦しめる。その体験を感じてしんどくなったんだと、読み終えて思った。 考えさせられる小説でした。

2022/01/28

のり

税務署で働く4人の女性達からの視点で一人のパート職員との関わりを描く。心身共にタフさを求められる職場。ストレスも多大にあるだろう。しかし、同僚に、しかも同一人物にはけ口を向けるのは如何なものか。女性陣の輪から外れた者は集中砲火にあう。それと公務員に対する税金泥棒や、自分達の税金で食べてるクセにという傲慢な発言には嫌悪感が湧く。逆に誰のお陰で手続き等が成り立っていると思っているのか。仕事全般の対価としては当たり前のはずなのに。あまりにも狭い世界は怖い。

2022/10/24

きいたん

私達はわかって欲しいと願う。大切な人に。どうでもいい人に。自分の頑張りを。苦しみを。愛を。祈りを。だが人の心の中を見る事はできない。わかってもらえないし、わかってあげられない。その葛藤、不安、不満、悲しみは、出口を求めて彷徨い続け、自分の望まない場所から突如として漏れ出し、人を傷つけ、それが更に自分を傷つける。それでも私達は1人では生きられない。自分の事を、他人の事を、その都度考えながら、自分の結論を出して生きていくしかない。例えお互いがお互いのどうでもいい人だとしても。その覚悟を心に刻ませる物語だった。

2021/10/17

Kazuko Ohta

原田マハの『あなたは、誰かの大切な人』の真逆を行くタイトル。凹みますねぇ。だけどそんなもんでしょう。職場でどれだけ「あなたがいないと困る」と言われている人であったとしても、辞めたところで仕事は普通に回る。県税事務所に勤める4人の女性の視点から描かれたこの連作短編集は「あるある」だらけ。ひとつ言えるのは、どんな人にも必ず悩みはあるということ。いかに能天気に見えようが、物事に動じないように見えていようが、生きていれば悩む。あと、映画や本での総務係の扱われ方がいつも不思議。総て務める、なくてはならない係なのに。

2022/01/16

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