モーツァルトを聴く人 (小学館文庫 た 34-3)
モーツァルトを聴く人 (小学館文庫 た 34-3) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
久しぶりに読む谷川さんの本は、詩で音楽を語る試み。そしてあふれるばかりの人生と社会の苦さが効いていた。かつての谷川さんの作品は、苦みはあっても、どこかに若さ青春らしさを感じさせた。歳月の進行だろうか、それとも世の中が険悪になったのか、作品を読んでいて思わずうなるほど、詩による批評か、抗議であると思わせる。それでいて若き日の作品と同じ言葉づかいが感じられるのは、見事な個性というほかない。中でも長編の「問いと満足」は圧巻。音楽を言葉で表すという不可能にみえる試みが、達成されたと感じられる作品も確かにある。
2022/02/01
こまり
とても良かった。モーツァルトの楽曲にちなんだ詩が綴られている。中に[ピアノのすきなおうさま]という絵本がカラーで収録されていてそれがまた良い。 「今此処の私のために」「コーダ」が今はしみる。谷川さんの音楽と詩の世界に浸った。時々読みたい。モーツァルトは父が好きでずっと聴いていたのをふと思い出した。
2022/04/26
クラムボン
1995年に刊行された詩集「モーツァルトを聴く人」19篇を文庫化するにあたり、新たに堀内誠一との共作絵本「ピアノのすきな王さま」を加えた…ここまでは、とても素晴らしい作品集だと思う。 ただ、編集部が今までの詩集から「音楽ふたたび」と題して24篇を加えるのだが…これには難ありと言いたい。音楽とモーツァルトにちなんだ作品を選んだとのことだが、一連の「モーツァルトを聴く人」に比べると、どうしても寄せ集め感は否めなかった。
2024/08/11
ryohjin
モーツァルトの旋律がまとう孤独や悲しみが、詩人の紡ぎだす言葉たちと、静かに響きあっているように感じます。『音楽のようになりたい』と願う言葉に心動かされました。
2022/04/27
くろうさぎ
未刊行の絵本目当てに手にした一冊。前半は雰囲気も暗く難解でした。絵本の王様は最後はひとりぼっちだけど、とても自由。詩は後半の方が読みやすかった。
2024/04/22
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