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人面瘡探偵 (小学館文庫 な 33-2)

人面瘡探偵 (小学館文庫 な 33-2)

人面瘡探偵 (小学館文庫 な 33-2)

作家
中山七里
出版社
小学館
発売日
2022-02-04
ISBN
9784094071146
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人面瘡探偵 (小学館文庫 な 33-2) / 感想・レビュー

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イアン

★★★★★★★☆☆☆横溝的雰囲気が特徴の中山七里の長編。相続鑑定士の三津木は、信州に名を馳せた山林王の遺産鑑定のため、現地を訪れる。そこで待ち受けていたのは、ある童話に見立てた連続殺人だった…。骨肉の遺産争いと時代錯誤な風習。舞台は王道ミステリそのものだが、本作の特色は何と言っても三津木の右肩に宿った人面痩〝ジンさん〟の存在だ。主人公を毒舌で罵倒する様は『謎解きはディナーのあとで』の影山を、謎解き場面での振る舞いは『名探偵コナン』の眠りの小五郎を彷彿とさせるが、ラストのどんでん返しはやはり中山七里だった。

2024/04/29

ふじさん

相続鑑定士三津木六兵の肩には、頭脳明晰で頼りがいのある人面蒼「ジンさん」が寄生している。六兵に、信州の本城家から財産分割協議の依頼が来る。相続人は、父親譲りで尊大な武一郎、厭世的な一方で打算的な孝次、本城家の良心・悦三、離婚して障害児の息子と戻ってきた沙夜子の四人。家父長制度が残る家では、協議が進まない。そんな中で、長男・次男・三男が次々に不可解な死を遂げる。まさに、金田一耕助の世界。六兵とジンさんは、骨肉の遺産争いに絡んだ殺人事件の真相に迫る。異色な設定の作品だが、最後まで飽きることなく楽しめた。

2023/01/16

のり

地方の資産家グループのトップが亡くなり、相続鑑定士の「三津木」が依頼者の元に出向く。その彼の肩には人面瘡が宿っている。三津木は人面瘡の事を「ジン」さんと呼ぶ。頭脳明晰だが口は悪い。依頼先では後継者が次々と惨殺されていく。家父長制度と古いしきたりが災いしての連続殺人事件。相棒のジンさんと共に事件を追うが、あまりにも異常な精神の元に気が滅入る。ラストの打ち明け話もビックリ。現実なのか?妄想なのか?いると信じたい。

2022/05/23

H!deking

おー、面白かった!ヒョーロクこと三津木くんと、三津木くんの肩に出来た人面瘡のジンさんが事件を解決する、って感じのお話ですね。中山さんには珍しくコミカルなタッチで読ませます。続編も出てるみたいなのでいずれまた会いましょう!

2022/04/13

sin

現代に於いても地方に残る因習に起因する愚かさと人間の悪意が遺産相続と云う舞台で噴出する。そして探偵と云う夾雑物と、見立てと云う鳴り物入りを除いたミステリーといったところか?いや、探偵役は相続鑑定士にとり憑いたとされる人面瘡と、作中に登場する絵本の見立てに見せかけてその実『犬神家の一族』と云うこった見立てではあるが、少なくともわざわざ探偵が乗り込んでいって立て続けに殺人が起こるミステリーよりは居心地は悪くない。次はどの作品が下敷きにされるのか楽しみだ。

2022/02/15

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