燃えよ、あんず (小学館文庫 ふ 10-11)
燃えよ、あんず (小学館文庫 ふ 10-11) / 感想・レビュー
ぼっちゃん
文庫で再読。下北沢の小さな本屋に集まる常連客のドタバタ劇。久美ちゃんを幸せにしようとみんなの温かい見守りが心地よく、支離滅裂な獅子虎の啖呵も良い。
2022/06/12
katsubek
ふむ、不思議な本。ブレスの少ない楽譜のように、読み続けることを要求されるではないか。派手な事件が起こるわけではない。むしろ、「ポンコツ」たちの地味な日常が描かれる。が、そこに隠されている「本当の意味」が明かされる時、驚くべき深まりが訪れる。犀星の詩を確認。間違いなく、「燃えよ」である。そう、「燃」なのだ。
2022/08/21
mincharos
なにこれ、うまく言えないんだけどすっごく面白かった。下北沢の小さな書店「フィクショネス」に来る常連さんたちを巡るお話。若くして結婚した久美子さんだけど、すぐに交通事故で旦那さんを亡くしてしまい、心優しい彼女は旦那さんの実家で暮らすことにして、十数年。偶然の再会で東京に戻ってきた彼女は、再び自分だけの人生を歩き出すんだけど、、、恋愛ってほんとに始まりはいいんだけど、その後は大変なことばかりだなあって思っちゃった。ユーモラスなんだけど、深い言葉も沢山出てきて、またいつか読み返したい。藤谷治さん要チェックやー!
2022/09/16
緋莢
図書館本。下北沢にある書店・フィクショネスを舞台にした物語。一癖も二癖も、というか ぽんこつな面々が集っていて、その中の一人、久美ちゃんが主となるのですが… 確か、朝日新聞土曜書評ページの文庫本紹介コーナーで知った本。書店が舞台ということで 興味を持ったのですが…自分が思っていた〝書店を舞台にした小説”とは違った& 作品内で展開されるドタバタがあわなかったということもあり、入り込めないまま 終わってしまいました。著者の『船に乗れ!』は好きだったんですが、この作品は 文章があわなかったです。
2024/04/15
しきぶ
某書店員さんの激推し本。このタイトルにかわいらしい表紙、軽めの本かと思って手に取ってびっくり。ぶ厚い。500ページ超え。読み始めてびっくり。うまく説明できないけど面白い! コミカルな話かと思いきや、重い要素もあって驚く。それでも軽やかでどんどん読んでしまう。文章とキャラ設定が秀逸。作者が店主を勤める書店が舞台で常連客の久美ちゃんが幸せになるまでの話を作者が小説にしたという設定。由良という人物が最初理解できなかったけど結果的に一番滑稽で、ハッピーエンドを迎えてめでたしめでたし~からのラストの章にやられます。
2023/05/10
感想・レビューをもっと見る