てらこや青義堂 師匠、走る (小学館文庫 Jい 3-1)
てらこや青義堂 師匠、走る (小学館文庫 Jい 3-1) / 感想・レビュー
W-G
著者の人気シリーズ『くらまし屋稼業』系譜の作品。というよりも、こちらが原型?筆子それぞれの紹介パートからメインの話しに進む流れは『火喰鳥』で、薫風は新之助の転で、それ以外にもにも色々と、他作品の骨子をなす設定が凝縮されており、名刺代わりの一作と呼んでもいい内容。それほど長い作品でもないのに、よくこれだけ詰め込んで散漫にならないものだと感心。きれいな終わり方をしているので、続編はなくてもいいかなと思う。しかし、時代的には火喰鳥シリーズに客演してもおかしくないので、また主要メンバーに逢える機会はあるかも。
2023/04/12
三代目 びあだいまおう
桁違いに面白い!笑えて泣けてハラハラドキドキ、しかも読みやすいって贅沢過ぎません?私にとっての読後感は『ワンピース』や『鬼滅の刃』の映画を見終わった感動にも似る。凄腕の忍びだった過去を伏せ寺子屋を始めた十蔵、そこに集う筆子、鉄之助、吉太郎、千織が織りなす感動のエンタメ時代物。「残念ながら私は清くはない。だが皆は今からどのようにでもなることが出来る。勉学に励み、それを世に役立て、弱きを助ける美しい大人になって下され」うーん、登場人物がいずれもカッコ良すぎ‼️過去一没頭して楽しんだ、紛れもない最高傑作‼️🙇
2024/04/25
KAZOO
今村さんの子どもがサブ主人公という時代小説です。公儀隠密の優秀な役割をしていた主人公が寺子屋の師匠となりその子供たち4人と活躍する連作小説です。こどもたちの家族がからんだりあるいは昔の隠密たちとの絡みがあったりで、主人公の奥さんと元の鞘に収まるということで安心して読める小説でした。
2023/05/09
のり
元公儀隠密の「坂入十蔵」は寺子屋の師匠へと転職した。十蔵の筆子達は個性豊かで、手を焼く事も多々あるが、心底子供達を愛し、教えを施し護ってきた。苦難を乗り越え、伊勢参りに行く事になったが、徳川転覆を企てる「宵闇」と呼ばれる忍達が公儀の忍と家族を狙いだし、十蔵にも手が伸びてくる。その可能性を考慮して以前に離縁した「睦月」へも…しかし、今村作品に登場する奥方達は凛としながらも愛嬌があり、芯が強く惚れ惚れする魅力的な者ばかりだ。もう少し読みたかったなぁ~。
2023/01/24
ガチャ
十蔵は青義堂で寺子屋の師匠をつとめる。 ここに来ている筆子はやんちゃばかりの子達だけど、負けん気が強くて可愛い。いつも師匠に悪戯をしかけては怒られるけど、みな仲良しでなんとも微笑ましい。 そんな彼らに振り被る事件。 敵にもそれだけの事情があるのかと思うと、 同情心も芽生えるけど、子供達に危害を与えるなら、十蔵も黙ってはいられない。 かつては忍びだった十蔵が、子供達を守り抜きます。子供達だって、知恵を出し合い、勇敢に敵と対峙します。十蔵と子供達の関係がいいですね。 これからの子供達の成長がすごく楽しみです。
2023/02/27
感想・レビューをもっと見る