KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

アンダークラス (小学館文庫 あ 16-8)

アンダークラス (小学館文庫 あ 16-8)

アンダークラス (小学館文庫 あ 16-8)

作家
相場英雄
出版社
小学館
発売日
2023-01-06
ISBN
9784094072204
amazonで購入する Kindle版を購入する

アンダークラス (小学館文庫 あ 16-8) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

keiトモニ

継続捜査担当窓際刑事田川信一警部補シリーズ。メモ魔で背広の型を崩すほどメモ帳が分厚くなる。オックスマートからサバンナに引き抜かれた山本康弘は、部下の幹部候補生中村沙織を一緒に連れてきた。さすが逸材だけあって山本より役者が上。田川の“サバンナは山本を泳がせていたのですか?”に中村は“私は一介のスタッフ…ただ上司の不正を見逃すことができず内部のしかるべき人間に相談していました”とズバッと見限り“保険はかけておかないと”ときた。藻谷浩介の解説は反アベノミクスの旗手らしく、安部長期政権の暴挙が物価高に元凶だとよ。

2023/04/27

kei302

2020年発売の本。メモ魔田川刑事シリーズ3作目。「サバンナ」があの会社とすぐに気付くが、「オックスマート」に心当たりがないまま、ちょっとモヤモヤしながら読んだ。最後の辺りで気付いたけど、30年以上前一部にそんな批判をする人たちがいたけど、実態とはズレていた。消費者と売り手、技能実習生問題。孫請け業者とコストカット。社会性に富んだ背景を備えながら、結局は男女間のもつれ…。収入による格差、アンダーなクラスの人、嫌なカテゴリのされ方です。

2024/11/14

タルシル📖ヨムノスキー

今や生活になくてはならないくらい浸透している熱帯雨林。先日午前中に本を注文したら「本日中にお届けします」の表示が。その後に来た通知の配送時間を見てびっくり!なんと「本日20:00〜0:00にお届け」って。いやいやそんなに急いでないから。ここまでくると過剰サービスで、絶対泣いてる人がいて、かえって申し訳なくなる。物語はベトナムから来た外国人技能実習生だった女性が、高齢者施設で余命を宣告された老女の自殺を幇助した罪に問われるところから始まる。この事件に絡んでくるのが熱帯雨林的な会社。世の中便利になりすぎたよ。

2023/09/02

シキモリ

田川刑事シリーズ第三作目。従来の作品通り、実に定石的な筋運びだが、分かっていても終盤の盛り上がりに毎度惹き込まれる。単行本の刊行は二年前だが、今日現在では日本人の若者が外国人労働者として海外に出稼ぎするニュースが頻繁に報道される時代だ。AmazonとZOZOをモデルにした企業を登場させ、利益至上の外資と社会貢献の内資という構図を描くのは些か偽悪的であるが、利便性の裏には多大なる犠牲があることを明瞭に表現しているとも言える。お約束の展開を裏切るラストの筋道こそ、著者が望む司法の正しい在り方ではないだろうか。

2023/02/05

Y.yamabuki

技能実習生の問題、流通業界の変化等の社会情勢を絡めた社会派ミステリー。昔ながらの年配刑事と若い女性のキャリア刑事のコンビがいい。ラストは諸手を挙げて良かったとは言えない、胸に納得できない重たいものが残るが、これが現実かもしれない。早く技能実習生という意味のわからない制度が、きちんとしたものになって欲しいと願う。初読みの作家さん、面白く読んだ。

2023/05/22

感想・レビューをもっと見る