口福のレシピ (小学館文庫 は 25-1)
口福のレシピ (小学館文庫 は 25-1) / 感想・レビュー
のり
SNSで、お手軽料理を発信する料理研究家の「留季子」。実家は老舗の料理学校。跡継ぎの立場ではあるが、重責と目指す方向性の違いで距離を置くことに…所々で昭和初期の出来事も話にハリをもたらす。食と学校の歴史。それにしても「ひ香」さんの描く料理はいつも食べたくなる。彼女自身が料理教室に通っていたくらい作るのも、食べるのも好きな事が伝わる。ランチ酒と口福のレシピで食の大切さを教えてもらった。
2024/05/04
アッシュ姉
料理を作るのも好きで、食べることが何より好きだという原田ひ香さん。食の表現が絶品でたまらない。ぱぱっと手際よく作る料理も美味しそうだし、じっくり練られたレシピにも心惹かれる。うちの母もだが、料理好きな人はスーパーに行くのも好きなんだねえ。私なんかビールコーナーにいつも直行直帰だから、たまにおつかい頼まれると苦でしかない。見習いたいけど身につかない!巻末の対談も面白かった。
2023/04/30
ノンケ女医長
妾宅という言葉を初めて知った。小さな二間の家で、庭と池がある。一見地味に見えて、高価な建材が用いられているらしい。そこに住まい、晩年まで独りで過ごすことになった女性の、孤独さと真面目さに胸が打たれる。昭和の時代は、名家に跡取りができない場合に多方面から蔑まれる。婚姻関係にはない女性との間に子どもを設け、妾には生涯を過ごす家を宛がう。時代の違いを感じた。彼女が創意工夫を凝らし、完成させたレシピが後世へ伝承されていく読後感は良かった。もし、しずえが男児を設けていたら、その後の確執は回避できたのだろうか。
2023/03/06
佐島楓
原田さんの作品を読むのは初めて。お料理や人間心理の丁寧な描写に、人気の一端がわかった気がした。これから少しずつほかの作品も読ませていただこうと思っています。
2023/02/25
ばう
星3 歴史ある料理学校の家に生まれながらも後継者とされる事に反発し家を出て畑違いの会社に就職するが血は争えない(?)のかSNSで発信したレシピから料理家としての仕事も始める留季子。そして時は遡り昭和2年、女中奉公先で隠れた料理の才能を見せるしずえ。2人の人生がある料理で線上の一本になる。時代を超えて料理は繋がり、進化していく、という印象の本。苦も無くスイスイ料理を作っていく留季子には凄い!の一言。しずえさんの話には引き込まれたが現代のお家騒動の方の話はもう少し深く掘り下げて欲しかったような気がします。
2024/10/14
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