家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった +かきたし (小学館文庫 き 16-1)
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった +かきたし (小学館文庫 き 16-1) / 感想・レビュー
ゆいまある
中学生の時に父が急死。高校の時に母は下半身不随となり、現在も車椅子生活で手術を繰り返している。4歳下の弟はダウン症。作者の岸田さん自身も多分ADHD当事者である。全員が生きづらさを抱えた家族。悲惨な話は痛みと悲しみを器用に取り除いて笑える話にすればお金になるとカルーセル麻紀さんも言ってたし、自慢は嫌がられるけど自虐は喜ばれるを地でいきSNSでバズりまくっている人。車椅子のおかんのポジティブさ。ダウン症の弟の逞しさ。助けてくれる人の親切さ。大変な話を爆笑エッセイに組み立てる筆力が見事。5秒に一度は泣ける。
2023/05/06
chimako
NHKのドラマが良くて元本を読む。元気の出るエッセイだった。お父さんの突然死、母の病気と下半身麻痺、ダウン症の弟。もう、どうしたらいいのよ!?と放り出したくなるような現実も、何とか生きることを自分に課しながら笑って過ごす毎日。書かれているよりもずっとしんどい事かあっただろうけれど、暗さを感じさせない持ち前の人並外れた前向きベクトルで読み手も優しくしてくれるようだった。弟の良太君は「味がある」なぁと、小銭必須の場面でコーラを買う機転を大拍手。たまたま写真家幡野広志さんの本を眺めたばかり。楽しい一冊だった。
2024/08/05
sayuri
好き、とても。「はじめに」で泣いて、一穂ミチさんの「解説」で泣く。泣いて笑ってまた泣いて顔が忙しい。表情筋は確実に鍛えられた。沢山の辛い経験をされた岸田さん。何度も涙を流して来られたんだろうと書かれていない部分を想像し胸が詰まる。そんな岸田さんが紡ぐ言葉は愛に満ちている。カメラマンの幡野広志さんの言葉も刺さりまくる。本の中から「なんくるないさ~」「ケンチャナヨ」などの励ましの言葉が今にも飛び出して来そう。元気な人も心が折れている人も手に取って欲しい。文章の端々に散りばめられた優しさに触れれば笑顔になれる。
2023/05/16
かわうそまん
NHKでやってたドラマが強烈だったので原作を読みたくなった。案の定、原作も強烈だった。想像以上に。まずタイトルからしてかなり強烈。ユーモアとバイタリティと家族愛があふれている。あふれ出している。失礼な言い方になるけど、ハードモードな人生だろう著者は、なぜこんなに明るく楽しそうなのだろう。その答えがちゃんとこの本に書かれていた。
2024/08/04
さおり
岸田さんはすてきなひとだなぁ。短い文章の中に流れるユーモア。そして、思いの深さ、あたたかさ。泣いたり笑ったりしながら読みました。
2023/07/17
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