緑の花と赤い芝生 (小学館文庫 い 49-2)
緑の花と赤い芝生 (小学館文庫 い 49-2) / 感想・レビュー
mayu
料理や家事が得意で幸せな家庭に憧れのある杏梨と可愛らしいものよりも研究や実験に興味がある志穂子。理由があり互いに嫌悪を持つ義理姉妹が共に住むことに…。それぞれに抱えた鬱屈した想いが本全体に溢れる。どうしたって上手く噛み合わない母親とのやり取りは本当にしんどい。望む様な子供になれない気持ちは大人になったからといって変わるものではないし、理解してほしい気持ちは諦められるものでもない。既存のなにかに当てはめようとすると苦しくなる。無理矢理に型にハマらなくても良いのだと寺地さんの解説を読んで肩の力が抜けた。
2023/07/19
イトノコ
キンドル。恋人ナシのリケジョの志穂子。その兄嫁で女子力の高い杏梨。ひょんなことから志穂子は兄夫婦の家に居候することになるが、正反対の2人がうまくいくはずもなく…。/久々に良い作品を読んだ。メジャーな作家さんではないが、毎度リアリティのある感情をぶつけてくる。あなたは赤だお前は緑だと誰もが型に嵌められる。自分は自分だ、自分はこう選ばざるを得なかっただけだと言ってもその声は誰にも届かない。対極と思われた2人が徐々にシンクロしていき、クライマックスの口論のシーン、2人の叫びが溶け合い一つになるようだった。
2024/04/14
カナティ
★★★★☆
2024/02/21
もと
「君は誰かの…」でも感じた、なんとなくもやっとした結末がリアルで好きかも 人生とか、生活とか、価値観とか、割りきれないことのほうが多いよね。
2023/07/25
読書家さん#初代gKP5Xz
同い年の杏梨と志穂子は兄嫁と義妹の関係で、杏梨は空気を読みコミュ力高め、志穂子は仕事一筋で恋人ができたことがなく正反対。それぞれの視点からあの時何を考えていたのかが書かれており、2人が次第に本音をぶつけ合う様子は人間味があって良かった。寺地さんの解説もなるほどなぁと納得する素晴らしいものだった。
2024/02/19
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