この胸いっぱいの愛を (小学館文庫)
この胸いっぱいの愛を (小学館文庫) / 感想・レビュー
文庫フリーク@灯れ松明の火
BGMはもちろんレッドツェッペリン「胸いっぱいの愛を」2006年羽田発門司行き224便。余命3ケ月の、大好きだった年上の和美姉ちゃん・交通事故で小学生の一人息子を亡くした夫婦・長年連れ添った盲導犬の墓参りに赴く老夫人・自分を生み落して亡くなった母。いつの間にか辿り着いた門司は、それぞれに深い傷を残した20年前の1986年。タイムスリップ起こしてしまったクロノス解析研究者の「時間は可変性」の言葉頼りに、各々の屈託した想いに決着を・運命を変えようと足掻く搭乗者たち。「想い残し」無くなり、笑顔と涙で時間に→
2015/04/30
眠る山猫屋
この作者さんとは35年くらいの付き合いになるんだなぁ。甘口で優しくてセンチメンタル。嫌いじゃない。過去改変SFだが、子供の頃好きだった近所の姉ちゃんを救うために奔走する主人公には憧れてしまう。思い残しを解消してしまえば(おそらくは〝死の運命〟が待つ)未来に引き戻されると判っていても、鈴谷比呂志は全力を尽くす。過去での10歳の自分とのコンビネーションにはフフッと笑わされてしまう。だからこその、他の生還した過去改変者との紙一重の差が切ない。ラストの失われた自分、引き継がれた想いが暖かくも切ない。
2020/03/09
た〜
第一印象は「知らずに読んでもカジシンの作だ、と、一発で分かりそうだ」。とある飛行機に乗り合わせた人のうち特定の時間に強い思い入れのある人がその時代に投げ出され、それぞれ思いを遂げていく。少々強引でご都合主義。だがそこがいい
2015/01/31
ユー
たまたま同じ飛行機に乗り合わせる事になった5人。結末は、それぞれ異なりましたが、どの話も感動で、虜になりました。この様なストーリーもあるのだ、と嬉しくなりました。
2018/01/05
はつばあば
これも登録されていなかったけど、何度も読み返し作品。レッド・ツェッペリンは知らなかったし「この胸いっぱいの愛を」も知らなかった。それでも今回の読みなおしは「クロノス・ジョウンター」を先に読んでいたからとても分り易かった。人生をやり直すのに過去にまで行った人達だけど、私達は過去に戻れない。それなら失敗したところでやり直す心意気を持たねば。長いように見える人生も老いてみれば短い。悔いのない人生など無いが、ちょっとでも悔いを残さない生き方で終末を迎えたい。最高の贅沢だろうな^_^;
2015/05/08
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