20世紀の幽霊たち (小学館文庫 ヒ 1-2)
20世紀の幽霊たち (小学館文庫 ヒ 1-2) / 感想・レビュー
遥かなる想い
2009年このミス海外第4位。 スティヴン・キングの息子ジョー・キルが 奏でるホラー短編集である。 読みながら 感じる奇妙な恐怖感が 心地よい。 ホラー中心だが、さりげなく紛れ込む ベースボール三部作も 楽しい、そんな短編集だった。
2018/08/06
KAZOO
この作家は初めてです。はじめはアンソロジーかと思っていたのですが一人の作家が20編弱の様々な作品を書いているわけですね。スラプスティックみたいなものからゴシックホラーの感じまでいろいろあります。私は数日で読んでしみましたが、一日1編づつ読んでいくと作品をもっと味わいことができると思います。
2016/04/17
yukaring
ホラーというよりもどちらかというと幻想的で後味の悪い話が詰まった短編集。作者のジョー・ヒルがスティーブン・キングの息子だと読んだ後で知ってびっくり。一番印象的だったのはやはり表題作、映画を見ているといつの間にか隣に座った血塗れの女性が話しかけてくるという噂のある映画館での出来事『20世紀の幽霊たち』誘拐・監禁された少年の恐怖を描く『黒電話』有名な人物の末期の吐息を閉じ込めた瓶を展示する博物館『末期の吐息』ある日突然イナゴになった男性の混乱を描く『蝗の歌を聞くがよい』などとても独創的なストーリーが多かった。
2023/08/02
sin
再読:)大好きなヒルの短編集!素晴らしい作品の数々であるがこのタイトルで括られたこの収録のチョイスはこの国ではセールス的には失敗ではないだろうか?散見される純文学の趣の強い作品は別に一冊でまとめて幻想文学と二冊の分冊にしても良かったのではないだろうか?そのようにすればそれぞれの境界を頑なに線引きする日本の読者を取り込むことができたのではないだろうか?要らぬ八つ当たりをこの素晴らしい短編集にするのもあまりにもこの国での評価が進んでいないことに対するもどかしさのせい、巻末に記された翻訳者の労には申し訳ない。
2015/03/03
藤月はな(灯れ松明の火)
キングの息子が描くホラー短篇集。ブラッドベリ作品の懐古調と父・キングのリーダビリティを併せ持っているためか読みやすかったです。「アブラハムの息子達」は『吸血鬼ドラキュラ』で登場したあの人のその後ですが、現在でいうと子供やツアから裁判沙汰を引き起こされてもおかしくない程のDVぶりだよな・・・。「黒電話」はまんま乙一氏の「セヴンス・ルーム」で苦笑せざるを得ません。でも「マント」は夢見がちな青年視点だと思っているととんでもない悪意に震えることになりました。そして「ポップ・アート」の寂しくも真摯な友情話にホロリ。
2015/10/15
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