兵士を見よ〔小学館文庫〕 (小学館文庫 す 7-2)
兵士を見よ〔小学館文庫〕 (小学館文庫 す 7-2) / 感想・レビュー
モモのすけ
今後これは大きな問題となっていき、しかも解決策はない。「たとえば陸上自衛隊では、第一線部隊の多くが、慢性的な人手不足に加えて、若年人口の減少という、日本が21世紀に向かって抱える深刻な問題を先取りする形で、二十代前半の平隊員、いわゆる『兵隊』が定員の半分にまで落ちこんでいる」
2013/04/11
jiangkou
自衛隊密着ルポ第二弾。戦闘機密着なので自衛隊の多彩な面は見れないが相変わらずの密着度。ヘリや輸送機もあるが全て戦闘機の訓練を受けそこから選抜されること、定年前に割愛され民間航空機へパイロットが転籍することなど初めて知った。想像はしていたが驚いたのは戦闘機と訓練のコスト。これほどのコストをかけても十全とは言えず、米軍補助がないと戦闘はできないし、兵器も更新するしかない。やはり空軍とするなら爆撃機など敵地攻撃能力などももたないと本当の防衛力にはなりえないとも感じた。空についてはかなり難しい防衛体制だと感じた。
2018/08/06
rie_846
自衛隊の存在の矛盾をあぶりだすような第一作と違って、パイロットに焦点をあてた第二作。まったく接点のない戦闘機乗りも、キャリアに悩み、人生に惑うただの個人であるのだなぁ…。少しその存在が身近に感じられた。
2013/02/23
undine
航空自衛隊への丁寧な取材に基づくノンフィクション。著者のスタンスが冷静であり、自衛隊の現状と課題に気づかせてくれるドキュメンタリーとなっている。F15の搭乗体験は五感への影響が丁寧に描かれて大変リアルだ。花形の戦闘機パイロットだけでなく、整備に携わる人たち、レスキュー部隊や自衛隊員の家族の方にまで掘り下げた取材を行っている。死と隣り合わせの非日常を生きるパイロットがそれでも飛び続ける理由がシンプルなことに妙に納得させられる。自衛隊讃歌とならないところが読んでいて安心できる。
2023/12/23
じゅん
兵士シリーズのうち航空自衛隊、特にパイロットにスポットが当てられたもの。戦闘機パイロットに関する話を読んでいると「スカイ・クロラ」シリーズの読後感に近いものがあった。銃という飛び道具が主役となり、複数対複数の戦いとなる中で、空の戦いだけは己の技量が生死をわける。最後の騎士達の戦場というイメージはとてもロマンティックだと思う。ただ、今は戦闘機も第5世代となり、技量よりもステルス性能差が占める割合が大きくなっているため、この本が上梓された当時よりはロマンが薄れているのかもしれない。
2019/02/14
感想・レビューをもっと見る