もしも私が、そこにいるならば (小学館文庫 か 2-5)
もしも私が、そこにいるならば (小学館文庫 か 2-5) / 感想・レビュー
いずむ
生と死と。”静”と”止”と。先に逝った人たちの姿を思い浮かべながら、去来するのは哀悼でもなく、憐憫でもなく。生きていた彼らと向き合い、生きていくボクらと向き合うこと。悲しくないハズはない。それでも、心はすごく静かで、穏やかで。でもそれは、決して感動を忘れてしまったワケではなく。無感動と思えるほどに、ただ背景として、しかし確かに描かれている死。それこそがこの物語のチカラなのだと、ふと、そう思える瞬間。喪われてからしか見えない姿がある。喪われてからしか紡がれない絆がある。喪われてからしか守られない約束がある。
2012/10/02
石井直樹
大崎善生、市川拓司、片山恭一の三人は僕の中では完全に立ち位置が被っている。 三人ともほろ苦い感じの恋愛小説っぽい作品が多い。 三人とも立て続けに著作が映画化されたから、その印象が強いのかも。 片山恭一の作品はミステリではないのに人がよく死ぬ。そういったところはよしもとばななや本多孝好に近いのか。この短篇集に収められた三篇も例外なく誰かしらが死んでいる。ちょっと安易な気がしないでもないけど、この作者の作品の雰囲気は好きだ。
2008/01/23
Ranko Taguchi
90
2011/05/18
omuu
短編集。母親の元彼に会いにいく…はw?。感情移入しにくかった。 これを機に短編集は読まない傾向に完全移行w
あろわな
病気や事故、特に人間の内面の感情をえぐってくる作品が多かった。当事者として、あるいは第三者として「死」と向き合う姿は心に強く残った。片山氏の文章は難しい哲学の言葉をより身近なものとして伝えている気がした。
2010/01/11
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