スペインの宇宙食 (小学館文庫)
スペインの宇宙食 (小学館文庫) / 感想・レビュー
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
テンション高め、饒舌に語る、生い立ちを、ジャズを、食を、社会を、病気を、女を、フェティシズムを、そういう色々なモノを全部まとめてひとつにして神経症をふりかけて出来上がったようなエッセイ集。
2016/04/17
kana
芳醇な香りをたたえた年代物ウイスキーのような一冊です。ロックでちびちびいく感覚で、言葉の端々まで染み渡る著者の世界観に酔う。一貫して変態的で気障なのですが、幼少期のトラウマ、フェティシズムの系譜、音楽論、食の嗜み…と幅広いテーマで博覧強記ぶりが発揮され、章ごとに文体も変化し、多面的な魅力を内包しています。こんな人とデートしたら楽しそうです。《みんな持ち回りだよ。メリー・ゴー・ラウンドと同じさ、俺が落ちてるときに誰かは最高にハッピーかもしれないし、俺がそこそこ良いね、なんつう時に、誰かがヤバくなってる》
2017/12/20
zirou1984
1999年から2002年頃にかけての執筆業を集めた処女エッセイ。内容は見事なまでに雑多ながら、DCPRGと第二期SPANK HAPPYを始動させてから不安神経症を発症させるまでの頃とあって全編に躁病的なテンションの高さとメロディのように言葉が流れ出るグルーヴ感が躍動している。言葉にしろ音楽にしろ食事にしろセックスにしろ、共通しているのは口から溢れ出る/漏れ出す快楽について徹底して自覚的なところであり、最高にスタイリッシュな口唇期的世界観と言ってもいいのかもしれない。良い。
2019/04/07
メタボン
☆☆☆★ 粋な夜電波での語り口そのものの過剰なまでの饒舌にクラクラしながら読んだ。どこにそんな金があるのと思うほど、ファッションや料理につぎ込んでいる。こんな生活をしていたら神経症にもなるわなと納得。しかし肝心な菊池成孔のサックスについてはまだ聴いたことがない。
2017/06/26
tom
どなたかのコメントを読んで借りてくる。最初の方で、幼いころの出来事が語られている。ストリップ小屋のおばさんに連れ出されて、しかじかの出来事があって、突然吐き気に襲われ、腹の中に詰め込んでいたキャンディーやらの汚物を噴き出してしまう。このシーンは、かなりの衝撃的。この著者、大量に喰い、大量に語る。テンションの高さは、かなりのもの。そのテンションの高さに誘われて、読み進める。ところが、最後の20頁ほどが脱落。どなたかが、切り取ってしまっている。だれだ、こんなことをしたのは。図書館本を破り取る輩は、許せない。
2017/07/16
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