銀しゃり[文庫] (小学館文庫 や 11-1)
銀しゃり[文庫] (小学館文庫 や 11-1) / 感想・レビュー
三代目 びあだいまおう
嗚呼、大団円!すごく読みやすい傑作江戸時代モノに出合えました!柿鮨の伝統を守り実直な商いに精進を傾ける新吉。武家に生きながらその理不尽に悩む秋之助。高田郁さんの『みをつくし』や『銀二貫』がお好きな方にはマジで絶賛お薦め人情モノ。読み手の『それで?』『どうなるの?』と先を急ぎたくなるテンポにきっちり応えてくれて抜群に読みやすい!筋と展開が素直で粋な江戸っ子が目の前にいる感覚!実直すぎる程の面々、波乱万丈の予感も実直を積み重ねたご縁が救ってくれる!粋で真っ直ぐな登場人物の生き様が心地よい❗嗚呼よかった‼️🙇
2019/05/17
さと
自らに与えられた役目を真っ当に果たしていく姿は、便利になりすぎた世の中に生きる私には羨ましささえ覚える。最近、天職とは⁇という言葉に触れる機会があり、ともすると、どこかに忘れてきたかのようにそれを探そうとしている自分がいた。どんな状況であろうと与えられた事に120%で臨む彼らは、毎日を生きる事で匠となっていく。謙虚でありながら妥協を許さぬ様には、武士も町人もなく世界に誇れる日本人の心が透けて見える。
2021/04/29
タイ子
長年鮨屋で修業し、親方お墨付きで暖簾分けをした鮨屋新吉の物語。寛政の頃、お鮨といえばにぎりとかちらしではなく箱鮨が一般的。中に入れる具や、すし飯の味で商売を競っていたそうな。不景気風が吹き始めたころ、出会ったのが勘定方の秋之助。そして、新吉の親友順平と妹おけい。それぞれ立場の違いはあれど、新吉の鮨職人としての矜持がある限り知恵と友情の手を差し伸べてくれ、まっとうに生きる幸せ感は読み手にも伝わってくる。さすが、一力さんだわ~。商売、利益、不景気、経営手法、現代にも通じる社会観が見えてくるような一冊でした。
2018/03/14
Atsushi
鮨職人新吉と旗本勘定方小西秋之助の身分を超えた友情の物語。いつの時代も職業や地位にかかわらず矜持を持ち続ける生き様は美しい。最近のお役人に見習って欲しいものだ。面白い作品だったが、おあきと杉作のその後が気になったり、忘れかけた孝三がラスト近くで登場したり少々ちぐはぐな感じがしたのが残念。
2018/04/28
tengen
三ツ木鮨を開いた新吉だが、学んだ高級名店・吉野家の伝統を守るため、材料費は高くつき、売値も高く中々商売にならない。 知り合った旗本勘定方祐筆・小西秋之助から柿の皮を使ったアイデアを得て苦境を脱する。 武家の放った棄損令が町の不景気を呼び、小西はこの事を憂う。 いろいろな事件が襲うも深川に男同士の友情が爽やかに吹きぬける。
2018/11/20
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