夢幻漂流 (小学館文庫 お 25-3)
夢幻漂流 (小学館文庫 お 25-3) / 感想・レビュー
タカシ
中国人女性の白骨死体が発見された。その後、幼児誘拐事件が発生し、ふたつの事件が絡み合う。果たして白骨死体の女性玲子は誰なのか。ふたつの事件と玲子の過去が上手く繋がってるし、最後まで玲子を謎としているのが上手い。拷問は酷かったけど玲子の想いが遂げられたのは良かった。
2014/12/03
たこやき
静岡の山中で発見された白骨死体と、大阪で発生した誘拐事件。両者が関連していること、などは最初から明らかだし、キーパーソンが誰なのかも、人物が少ないので消去法でわかりやすい。ただ、誘拐の緊迫感などで物語に引き込まれ、その中で中国からやってきた女性たちの哀しさが上手く描かれる。貧しい中国からは、文字通り「夢」だった日本。その「夢」の世界で流されていった女性たち……。やるせない話ではあるが、沼田の決断から見える、僅かな希望に後読感は良かった。
2010/08/19
sataz
静岡で見つかった白骨死体、大阪の男児誘拐事件、別々に起きていたように見えることの背景に、一人の中国人女性(ちょっと外れた形での入国)のある意味懸命な人生があった。異邦人が作り上げるドラマを提示してくれる作者(「パレスチナから来た少女」など佳作もある)が、少々無理やりなストーリーだけど在日中国人たちの生き様と、それに関わる日本人たちを描いている。ラスト近くの仕掛けはまあまあよく、ある意味の懸命さも感じた。前述通り、少々無理やりにも思えるけれど。
2012/06/26
はっか
やり切れない話。アイデンティティーが得られないっていうのは、悲劇的にことなんですね。
2009/09/20
yamabon
何の関わりもなさそうな二つの事件がつながる瞬間が見事。希望を求めて海を渡るも、そこでも祖国から逃れられない哀しさが描かれている。
2009/08/30
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