太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男~ (小学館文庫 お 25-8)
太平洋の奇跡~フォックスと呼ばれた男~ (小学館文庫 お 25-8) / 感想・レビュー
あつぼう
サイパンに旅行に行く前にこの本に出会ってたら色々と考える事もあったと思う。大場栄大尉という人がいたからこそ、これだけの民間人と日本兵が再び日本の地を踏めたんですね。そこに至るまでに散っていった命の多さを考えると、ほんの一握りやろうけどこの人の柔軟な考え方がなければ、さらなる命が散っていったんでしょうね。アメリカ側にルイスという人がいたのも平和的に解決出来た要素の一つですね。日本に留学した事がありサイパンに住む日本人の事を平和的に解決しようとした彼の存在って大きいです。次は映画を観てみようと思う。
2011/04/08
HoneyBear
ドラマか映画をノベライズしたもの。小説としては物足りないが(密度が薄い)、面白い話ではある。
ラミウ
サイパン島の山中で200人以上の民間人と、47人の兵士を統率し、抗戦を続けた大場栄大尉という指揮官の実話。「敵ながら天晴れ」と称されたその戦いぶりは、多くの悲惨な犠牲の中で見つけた答え、「一人でも多くの敵を殺す為に戦う」のではなく、「一人でも多くの日本人を救う為に戦う」であった。バタバタと人が死んでいく地獄の中で、最悪の中に最善を探し続け、最後まで誇り高く行進した姿に感動しました。希望を捨てないことの大切さ、戦争の苦しさ、祖国を思う心、多くの生きたい人が無念に散っていったことを感じさせてくれる本でした。
2015/08/24
Misa
1944年サイパン、実話がベース。アメリカ軍からフォックスと呼ばれ畏れられた陸軍の大場栄大尉は愛知県蒲郡市ゆかりの方なのです。東三河新参者の私としては知っておくべき偉人だと思い、昨年から気になっていた本。映画は見逃しました(T ^ T) 「玉砕」「生きて虜囚の辱めを受けず」と死を誇りに戦うよりも、一人でも多くの日本人を守り生き抜くことを選んだ大場大尉の英断と行動力。そして、これ以上犠牲者を出すことなく日本人に歩み寄ろうと動いたアメリカ軍のハーマン・ルイス大尉。終戦記念日を前にこの本を読めてよかったです。
2012/08/14
やまさん
玉砕の島・サイパンで「命」の大切さ重視し兵士、住民ともに「生きる」選択をした大場大尉。「死」を全国民に強要した狂気の国・日本。その中の局地戦の一部ではあるも「騎士道」の精神で皆を守った大場大尉。そして「武士道」を理解しながら日本人の誇りを尊重して取り組んだルイス大尉。同じ戦場で2人が出会ったことが玉砕の島での奇跡を生んだのでしょう。本書の最後の大場大尉の戦没者に対する思い「あなた方のためにも、これから精一杯いきてみせる」に対して現在に生きる我々は胸を張って「これが今のあなた方の祖国です」って言えるのかな?
2018/08/19
感想・レビューをもっと見る