唇に小さな春を (小学館文庫 い 36-1)
唇に小さな春を (小学館文庫 い 36-1) / 感想・レビュー
おりすと
紫綬褒章も授与されたという小説家、稲葉真弓さんの短編集です。各話それぞれ“色”がテーマになっており、それが全18(+α)話。本の表紙のように、どれも小粒で味わいやすく、しかし確かに上質なチョコの小箱の様な一冊となっています(こんな短編集があったらと思っていました)。これぞ円熟した作家の筆致というのか、どんな小さな話の断片にも登場人物の人生が垣間見えます。文体は軽やかでも読み終わると少し切なさが残るような良作ばかりでした。お気に入りは『空いっぱいにカナリアが』と最後の掌編の中の『木漏れ日』。
2021/10/21
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
ほんと、表紙の写真のように、キレイなものがちょこっとずつ詰め合わされている、って感じでした。通りすがりに咲いている可愛らしい花に目がとまったって感じ、とでもいうか。
2012/05/02
mick
児童小説のような掌編から、なまめかしさを感じる大人の掌編まで、表紙のチョコレートのように、様々なタイプの小説が集められている。掲載された雑誌が医療系という事で、自然と生死が感じられる内容だったのか。もっと作品を読みたかった。
2020/08/11
Tomoko Watanabe
もともとのハードカバーのときはタイトルが「藍の満干」で、「色のあるファンタジー」というサブタイトルがついていた。色に惹かれたが、自分の持つファンタジーのイメージとは少し違うものが多かったように思う。『おばあさんの桜餅』が好き。
2017/06/04
toshi
人生のある局面の色を切り取った短編集です。短編18話と掌編3話が納められています。短編はそれぞれ10ページ程度と読みやすいです。
2018/02/21
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