カラーひよことコーヒー豆 (小学館文庫 お 36-1)
カラーひよことコーヒー豆 (小学館文庫 お 36-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
かつて『Domani』に連載されていた掌編エッセイ集。小川さんのご子息が就職されたというから、早いものだ。それにしても彼女の眼の瑞々しさと、優しさは、ここでも全く健在だ。仕事をする人たちへの限りない共感と驚嘆のまなざし、また時にはジュウシマツの歌声に芸術への昇華を見、はたまた「小説が書けること、犬が元気なこと、タイガースが勝つこと」の3つを理想の生活とする小川洋子さん。なんだ、それなら3つめの望み以外は簡単なことじゃないですか。でも、愛犬ラブを見送った後、彼女の理想の2つめは追想になってしまったが。
2014/05/13
mae.dat
雑誌連載のエッセイを纏めた本だったのか。18編。洋子さんは、ふと目を止めた先の人間観察眼からの為人を想像して、ちょっとしたストーリーを創造しちゃうのね。又はね、何気無い日常に潜む小さな幸せを掬い取る能力ですかね。愛犬ラブラドール・レトリバーのラブとの別れは、仕方の無い面もありますが、悲しいね。後特筆しておきたいことが「解説」と言う名の何でしょう。一方通行の交換日記の様なものが収められていまして。これに惹きつけられましたよ。おまけとしてはお得な。芸能に疎いのですが、菊池亜希子さんは何者です。気になります。
2023/10/05
ユメ
音のしない文章だと思った。雪のようにひっそりと、言葉が心に降り積もってゆく。私もそれを黙って受け入れる。小川さんはいつだって世界を見つめている。彼女は、視線の先から物語を汲み取ることができる人なのだと思う。「小説を書く時、登場人物の職業を何にするかは、最も重要な問題になる」「働いている姿が鮮明に浮かんでくると、もう大方、小説が書けたような気分にさえなる」という小川さんが私を見つめた時、果たして物語が浮かぶほど、私はきちんと生きているだろうか。何も見えてこないような人間になっていないか、と自分に問いかける。
2015/03/14
hiro
ちょっと時間が空いたとき読むのにピッタリの優しいエッセイだった。題名の「カラーひよこ」は予想通りだったが、「コーヒー豆」はまったく想定外の愛犬ラブの○○。その愛犬ラブの話、阪神タイガースの話、『アンネの日記』に関連したいつもの話を含め、作家小川洋子の日常と、小説やエッセイを書く以外の作家としてのいろいろな仕事がみえてきた。さお、小川さんの小説、次は何を読もうか。
2015/05/19
ペグ
表紙の絵と色が昭和。可愛い! 小川洋子さんのエッセイだからご本人を垣間見れて嬉しかった。繊細で奥ゆかしくて可愛らしい方と感じましたーきっと又手にとるかと思います😻
2022/09/29
感想・レビューをもっと見る