震える牛 (小学館文庫)
震える牛 (小学館文庫) / 感想・レビュー
サム・ミイラ
私の仕事はコンビニ経営。こういう商品を売っているのだと改めて思う。実はこれまでも弁当や惣菜などは子供に食べさせなかったがまさにそういうくだりが出てきて愕然。だが生活のためこの仕事を続けているのも事実。一切合切こんな良くない事と関係ない生き方が出来るかと問われれば、難しいと思う。多くの人が気づかずに何らかの片棒を担いでいる。原子力発電を否定しながら電気は当たり前に使うように。人間というものの業。世界はこうして成り立っている。だからこそせめて私利私欲に走らず人として真摯に生きる事の必要性を説いた傑作。
2014/05/10
ehirano1
巧過ぎるエピローグに唯々乾杯!こういうエピローグは奥底にじ~ぃんと来ます。「想い」や「執念」というのは本人が予想だにしないまさかこんな・・・という形で叶うこともあるということを思い知らされます。
2022/05/01
ちょこまーぶる
あらすじに魅了され面白かった。BSE問題を取り上げているわけですが、関係者が口を閉ざしてしまったら、感染は広がってしまうわけだから恐怖も感じる。そして、利益ばかりを追求することが当たり前にならないような社会をいつまでも維持し続けたい思いにかられる一冊でもあった。それにしても、今更ではあるが権力争いや癒着が企業だけではなく警察にも存在していることへの残念な想いと田川刑事のような正義感にあふれている刑事の存在の頼もしさを再認識できた一冊だった。そして、事件の解決後のすき焼きを食べる場への同席を切に希望したい。
2014/04/06
yoshida
未解決の殺人事件を追う警視庁の田川。居酒屋強盗殺人事件をコツコツと追ううちに、巨大ショッピングセンターの闇と、取扱う「雑巾」と呼ばれる安価な加工食品へとたどり着く。デフレ経済と行き過ぎた資本主義のため、巨大ショッピングセンターは消費者へ安全な食品を提供する事を忘れ、利益のとれる混ぜ物の多い惣菜を販売する。経営者としての理念は同業者との競争で失われたのだろうか。私達の周りにある、安価で便利な食品には何らかの理由がある。行き過ぎた資本主義による、地方の画一化された街並と、安価な食品の安全性に警鐘を鳴らす名著。
2016/10/15
射手座の天使あきちゃん
警視庁捜査一課継続捜査班の警部補・田川がコツコツと丹念な捜査を積み重ね迷宮入りしかけた事件の真相に迫っていく物語です イメージはさながら刑事コロンボ(笑) でも登場する会社は実在する大手企業(○オンや○ニクロ)とカブるところがあって迫力満点です <(^_^; お正月から歯応えたっぷりの警察小説でした、当た~り!!(笑)
2014/01/03
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