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終りに見た街 (小学館文庫 や 22-3)

終りに見た街 (小学館文庫 や 22-3)

終りに見た街 (小学館文庫 や 22-3)

作家
山田太一
出版社
小学館
発売日
2013-06-06
ISBN
9784094088328
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終りに見た街 (小学館文庫 や 22-3) / 感想・レビュー

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がらくたどん

終戦の日に「この前の戦争」が更新されませんようにと祈りつつ①再読。昭和56年から昭和19年にタイムスリップした2家族が体験する戦争終焉の日本を描く山田太一風「体験手記」。昭和56年というのがミソ。戦中に成人していた層は口を噤み、戦中生まれと戦後生まれが混在した働き盛り層が高度経済成長の予感に未来だけを見ていた時代。戦中の街で曖昧な戦争体験や知識を動員して戦争末期の狂騒に抗おうとする親世代と「何も知らない」からこそ明確な敵がいる分かりやすさの結束感・共通目標に惹かれていく子世代の軋轢を描く寓話的ホームドラマ

2024/08/15

おさむ

珍しい山田さんの戦争もの。現代の家族が戦時中にタイムスリップというSFチックな展開に思わず引き込まれて一気読み。終わりはハッピーエンドではなく、山田さんらしい「暗さ」でした。同じく脚本家の倉本聰の戦争ものもたしかタイムスリップものでした。現代人に分かりやすく戦争を実感してもらうにはこうした仕掛けしかないのかなあ……。

2015/11/19

のぶのぶ

 ドラマを見てあるので、流れは同じであるが、今の方が現実味が高まっている。戦争体験はしていないが、過去のことを学んでいる。学んでいても、止められない。先日、ニュースでウクライナの子どもがドローンを作って、少しでも国に貢献し戦争を早く終わらせたい気持ちで作っている映像を見た。でも、そのドローンは、実際に人を殺すことになるだろう。早く戦争を終わらせたい気持ちが強いが、結局は、戦地に赴く兵士や国に協力して働く人たちと同じであるし、戦時下に置かれたら、自分も同様な気持ちをもってしまうだろう。明日は我が身かも

2024/10/10

あつひめ

近々ドラマになると知り読んでみた。始まりも突然だが、終わりも突然で。そして何より、なぜこの人たちが?という疑問が消えないまま。子供のころ経験していることを活かして少しでも被害の少ないところに逃げることは考えないのか?とズルい考えが頭をよぎった。なのに東京から離れない。今現在でも世界では諍いが絶えない。いつかその火種がそこここに飛んで戦争が始まるかもしれない。子や孫が戦地に駆り出されるのだろうか。読後、他人ごとではなく胸がドキドキしてしまった。平和ボケしてしまっているかもしれない私の脳みそに活を入れられた。

2024/08/29

いく☺︎

先輩が「子供の頃に読んでずっとトラウマだったんだ」と貸してくれた本。多感な時期に読んだらしんどいだろうなあ…子供の頃に読んだ戦争の本は引きずりがち。わたしは2人のイーダがいまだにこわい。怖くて正解だと思ってる。

2019/12/19

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