太平洋の薔薇 (下) (小学館文庫 さ 17-2)
太平洋の薔薇 (下) (小学館文庫 さ 17-2) / 感想・レビュー
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
後半は一気読み。貨物船をハイジャックしたテロリストと盗まれた生物兵器の謎が次第に明らかになる。叩きつける暴風雨、襲いかかる高波、北太平洋でのテロリストとの戦い。秘密を隠蔽しようとする者、生物兵器を我が手にしようとする者、国家間の策謀が渦巻く。そしてそんな国家の壁を超えた海の男達の心意気と感動のラスト。いや~、面白かった。久々にこれぞという冒険小説を楽しみました。文句無しの五つ星。★★★★★
2014/06/01
momo3626
上巻で、出揃ったモチーフが、怒濤の終焉に、向かって、息つく暇なく、動き出す。「ナターシャB」をめぐる、アメリカ、ロシアの思惑と駆け引き。ハイジャック犯の心意、荒れ狂う波濤に、翻弄されるパシフィックローズ。007の映画のごとく、映像が、目に浮かぶ。そして、柚木キャプテンとクルーたちの強い絆に、胸が熱くなり、どんでん返しの結末へ。ドキドキ、ハラハラが止まらない!007の映画のような、冒険海洋小説。読後、満足感100%。
2015/08/21
kk
海洋アドベンチャーとサスペンスの見事なフュージョン。世界の各地と海原を舞台に、徐々に深まりゆく謎。緊張感がいやましに高まってゆく先には、文字通り「怒濤の」結幕が! 主人公らが繰り返しピンチに遭遇するので、読むのにかなりストレスを感じたりもしましたが、最後の場面では思わず涙してしまいました、この歳にして。読後感はとても良かったです。生まれ変わったら船乗りになりたいな、とか、またお馬鹿なことを考えてしまいました。
2020/10/11
HoneyBear
こんなに大風呂敷を広げて一体どう収拾をつけるんだろうと思って読み始めたし、構図をつかむまでに時間がかかったのだが、… こんな感動的な結末に一気に纏め上げるとは。凄い。何とも都合の良い設定も多いが、民族感情、大国の思惑、そして組織と人物の描き方のさじ加減が巧く、素直に様々なプロの生き様を楽しめた。最後は彼の国の政治家がハリウッド映画仕立てのドラマをお膳立てするが、登場人物はそれを難題解決に利用し、読者の方もそのドラマを満喫出来るいう仕掛けが効いている。緻密に構想された一流のエンターテインメント。
2015/07/22
忽那惟次郎8世
私的に 描かれたキャラクターで惹かれた人物 「かいもん」船長の矢吹、昔から海上保安庁の実際の活動には敬意を評するがこういう人物がどこの組織においてもいてほしいものだ。柚木夏海 父親愛の描かれ方が素晴らしい。レオン・ザガリアンの生き方にも惹かれる この人もカッコいい。NSAのロナルド・フィルモアもある意味カッコいい、殺されたフィアンセの復讐のために人生をかける姿。超脇役だがFSBのボロディンも、ウラズミンを締め上げるところ面白かった 最後に、この本を読んで船乗りになりたいと思った読者は多いんじゃないかな
2020/10/15
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