土門拳 腕白小僧がいた(小学館文庫) (小学館文庫 G と- 2-5 VISUAL SERIES)
土門拳 腕白小僧がいた(小学館文庫) (小学館文庫 G と- 2-5 VISUAL SERIES) / 感想・レビュー
蘭奢待
土門拳は天才だということが良く分かる。子供の天真爛漫な一瞬の表情をとらえた写真。それもピント、露出はもちろん、影、背景、所作、服装、構図など実にこまやかな部分まで見せる写真ばかりだ。遊びに興じる作り物ではない笑い顔、紙芝居をのぞき込む真剣な顔。一人一人の表情、髪、服装、履物といったものの表現がすごい。 筑豊の子供たちは、「追われゆく坑夫たち」を読む前と、読んだ後とでこの写真集の見え方がかなり違う。辛い。
2018/11/25
かおる
ようやく手に入った待望の土門拳の写真集。泣いても笑っても活き活きした子どもたちの表情が良い。ただ「筑豊のこどもたち」の中に撮られた閉鎖された炭鉱の少女るみえちゃんの表情を見ると、心痛む思いがする。戦後の貧しい社会の中にあって、身なりはぼろぼろなのだがすべてを剥きとったら本質は今のこどもたちと変わりないはず。しかし「かつて撮ったようなこどもの写真はもう撮れない」と語る(1977年12月28日「日本経済新聞」)。これからも社会のゆがみや風潮を背負って子どもたちは生きていくんだろうな。
2024/03/21
yk
このサイズでまとまっていてよかった。筑豊のこどもたちは以前見たけどやっぱり印象に残る。こういう写真は当たり前だけど二度と撮れないわけで、でも撮っていたときにはそう思っていなかったのだと1977年の時点で書かれていた。本当に貴重な写真だと思いました。
2022/01/10
kuukazoo
時代が違うからと言ってしまえばそれまでだし、いい悪いの問題ではなく、明らかに今の子どもたちとは全く違う身体で、それだけでもう見ていて飽きない。今が今でなくなる寸前の瞬間を捕まえ続けた土門拳の偉業にただ感服するのみ。この本の写真の全ての子どもたちが幸せに生きたことを祈りたい。
2019/02/17
雨巫女
最初の土門作品は、「筑豊のこどもたち」でした。まだ、貧しそうだけど、子供達の表情はイキイキしてる。
2010/09/04
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