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山の精神史: 柳田国男の発生 (小学館ライブラリー 89)

山の精神史: 柳田国男の発生 (小学館ライブラリー 89)

山の精神史: 柳田国男の発生 (小学館ライブラリー 89)

作家
赤坂憲雄
出版社
小学館
発売日
1996-09-01
ISBN
9784094600896
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山の精神史: 柳田国男の発生 (小学館ライブラリー 89) / 感想・レビュー

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takeapple

柳田國男が、民俗学や常民といった概念にたどり着く前にこだわっていた、「山人」とはいったいなんであったのかを追究した本。民俗学以後の柳田は権威主義でかなりの保守という印象だがそれ以前にはなんと粗削りで可能性を秘めていたのか。山に住む私としては、柳田が考えたような山人が、いまだその辺の山奥には住んでいて夜遅くや朝早く、あるいは人のいない秋の終わりから冬にかけて出てきているのではないかと思うことがある。次の『漂白の精神史』を読んでみたい、『海の精神史』は、SLに入らないのだろうか、『常民の精神史』は書かれるのか

2011/01/07

うえ

柳田国男が山人をいかに捉えていたかを『後狩詞記』から山の人生まで根底的に問い詰めた労作。「郷土研究」誌における熊楠との論争とその敗北もきちんとカバーしている(しかし当時の熊楠は単なる近代主義者ともいえる)。底本柳田全集に収められていない新体詩や「幽冥談」を引きながら柳田の関心が「国民を冠された歴史、国民の総体として帯びる性質」にさしむけられていると指摘する。そしてそれを柳田の中に共存する「経世済民と他界願望という言葉」で言い現す。「山人は常民に主役の座を明け渡し、すくなくとも著作の表層からは消えてゆく」。

2018/02/20

∃.狂茶党

柳田民俗学を辿る旅。 出だしは、エッセイ的なもののようですが、次第に民俗学者としての解読が深められていきます。 連作であり、続きもあるようですが、やや一般向けを意識しすぎて密度が薄いようなところもあり。

2021/04/19

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