漂白の精神史: 柳田国男の発生 (小学館ライブラリー 104)
漂白の精神史: 柳田国男の発生 (小学館ライブラリー 104) / 感想・レビュー
うえ
「柳田はおそらく、天皇制にとってフレイザーの著作がかぎりなく危険な書物であることを、だれよりも痛切に知り抜いていたに違いない。「毛坊主考」が単行本化されずに捨て置かれた背景に秘せられたものと、岡正雄の『王制の呪術的起源』の翻訳に序文をつけることを強く拒んだ背景に垣間見えるものとは、どこかで通低しているはずだ…柳田「ヒジリに当てた聖と云ふ文字があまりに結構な文字である為に、勢力ある名僧たちに横取りせられてしまひ、下品の念仏者は実は本家本元のヒジリであつたにも拘らず、却つて…安物を用ゐねばならなかつた」」
2018/04/12
user
第10章5節にて本書の要約がされているので、ここから読むのが吉。「漂泊の民から境の民へ、さらに被差別の民へ」。
2010/04/06
ダージリン
刺激的な内容。イタコやオシラサマの話などは興味深い。漂泊者をどう捕らえ位置づけていくかは、多層な日本社会をより深く理解する上で重要と思う。柳田と南方熊楠とのやりとりも面白い。その内南方の本も読んでみたい。
2010/09/26
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