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かくれキリシタンの聖画

かくれキリシタンの聖画

かくれキリシタンの聖画

作家
谷川健一
中城 忠
出版社
小学館
発売日
1999-10-01
ISBN
9784096262047
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かくれキリシタンの聖画 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

まず、こんなにたくさんの聖画が隠れキリシタンの人たちによって密かに守り伝えられたことに驚く。ほんとうによくぞ隠しおおせたものである。『沈黙』を読むまでもなく、探索や弾圧もさぞや厳しかっただろうに。残された聖画のほとんどは、ごく一部を除いて日本で描かれたものだろう。すなわち、相当な程度に日本化しているのである。お上の目を欺くためではなかっただろう。なぜなら、マリアやイエスと共に十字架が描かれているからである。今見れば、いくぶん奇妙に映るかもしれないが、これらの聖画は文字通り命を懸けて信仰された対象だった。

2024/10/29

ルナティック

これは胸を打つ・・・隠して隠して・・・司祭もいないし、書かれたものもない。伝承だけの教えの中の信仰、そして支えとなったであろう聖画。キリスト教ではなくキリシタンの信仰。世界的に見ても、その独自性は貴重であり希有であるという。洗礼者ヨハネのそばに描かれている椿の花。椿の花が、落ちる様を、ヨハネの斬首を暗示しているという。それを読んだ時、圧倒されてしまった。著者の苦労話や様々な話の文章も興味をそそる。難しいが

2017/01/12

nizimasu

長崎県の中江ノ島はかつて、かくれキリシタンの殉教者が斬首された場所として、大切な場所であるという。そして、その周辺を囲むように隠れキリシタンの信者たちが息をひそめていた。その頃に制作された、キリシタンと多神教の融合した不思議な世界観を持つ絵画がこの本では見開きで紹介されている。決してうまくもない。むしろ滑稽ですらあるその作品からは、人々が信ずることの先にある平安や穏やかさへの希求が感じられて、思うことが多い。キリスト教とは違うキリシタンの時代に思いを馳せてしまう

2012/09/17

takao

ふむ

2023/07/20

(1999,702.09)在野の写真家。生月島。民間信仰とは和のものという先入観があるので、それが舶来ものと合わさって根付いていたのを、絵づらで見せつけられて衝撃を受けた。学者が解説で「シンクレティズムではあるが、決して雑炊のようなものではなく、きちんとした骨太の教義がある」としている。ただでさえ島は閉鎖的だし、隠すのが当たり前の歴史。しかし著者は何度も粘る。心を開いて、開かれる。記載厳禁だったが、このままでは途絶えてしまうので、著者が書き留めた口承も、写真同様、貴重なものに昇華された。お見事。

2020/05/29

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