新編日本古典文学全集 (66) 井原西鶴集 (1)
新編日本古典文学全集 (66) 井原西鶴集 (1) / 感想・レビュー
syota
『好色五人女』を読了。以前読んだ近松の文章はリズミカルで流れるようだったが、こちらは一つ一つの文が長く、立て板に水とはいかない。だが、見事に削ぎ落とされた簡潔で引き締まった文章は、芭蕉に通じるものがあるように感じた。素人考えだが、俳諧という共通の基盤があるからだろうか。内容的にはまさに元祖「肉食女子」で、男尊女卑の時代なのに完全に男が振り回されているのがなんとも(^_^;) 五人の中では純情、一途でありながら最後まで毅然としていた八百屋お七が、最も好みだった。
2018/04/24
元気伊勢子
「好色一代男」は、3回目。「好色五代女」、「好色一代女」は初めて。井原西鶴は、すごく面白い。江戸時代は、今のように恋愛が自由にできる時代ではなかったからこそ、純粋だったのかもしれない。いつの世も生きることは、ままならないことだらけのようだ。また読むつもりである。
2022/04/06
diet8
面白かった。現代語訳を読んでから原文を読んだ。音読すると気持ちの良い文章。まだ黙読して楽しむということを前提にして書いてないんだなと思った。出版を前提として書いてあるという意味では現代的。妖術など非現実的なことはほぼ無くて、誇張はあれどリアル。性はおおらか。五人女では、処女が好きな男の寝床へ忍び込む。妊娠しても子捨てが違法でも不道徳でもなく出来たからか。一代男では、主人公が子を捨てる。一代女では、当時の女の職業ガイド。一代女は少し暗いが、売れない娼婦の悲哀であって、売春自体には罪の意識はない。
2016/08/30
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