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雨の名前

雨の名前

雨の名前

作家
佐藤秀明
高橋順子
出版社
小学館
発売日
2001-05-21
ISBN
9784096814314
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雨の名前 / 感想・レビュー

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ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

梅雨の時期に雨の本を読む。春は花時雨に木の芽(このめ)流し。夏は神立、狐雨。慈雨のよろこび、翠雨(すいう)の美しさ。天泣、白雨(はくう/にわか雨、夕立のこと)のことばの響きも涼やか。送り梅雨なんてことばがさっと出てくると素敵。霧雨のように音のない雨も好き。七夕の雨を七夕流し、なんていかにも風流。風花が冬のことばということを初めて知ったり。氷雨(ひさめ)なんてことばから凍えていくようです。雨のひとつひとつにことばがあると思うと、雨の日がより愛おしいものになりそうです。

2020/06/20

あつひめ

雨はとてもお洒落な名前を持っている。一言に雨なんて括っては申し訳ないような。そして、雨は里山にも、そして都会にもよく似合う。しかし、ほどほどでないと嫌われるが。私は、農業に携わってから、雨を体で感じる楽しさ・喜びを覚えた。雨の中、カッパを着込んで働くとき、自然の中に自分も溶け込んだ気になれた。残念ながら、もうそんな時間は手に入らないのかもしれないが、もう一度、雨の中、傘ではなくカッパを着込んで緑の中を歩きたい。その時には、雨の名前を教えてあげたい。私は、雨が好きだ。私は、3倍以上に楽しめた一冊です。

2015/06/14

ちはや@灯れ松明の火

みみをすませて、ささやくこえをきいて。空を潤し大地を洗い流し、新たな季節を迎えよう。花を育むやわらかな春雨のカーテン、木々のみどりを濃く染めていく青梅雨、霧時雨が烟らせる秋の野辺、突き刺さるように凍てつく氷雨。ただぼんやりとながめて、しずくがえがくわをおって。沃霖、万物生、甘露の雨、土と共に生きる命を水のてのひらが慈しみ、狂霖、空梅雨、鉄砲雨、同じてのひらの上で気まぐれに戯れもてあそぶ。つめたい、でも、やさしい、この雨にどんな名前を捧げよう。てをのばして、そらからこぼれおちるなみだのかけらをうけとめて。

2013/11/11

カナン

雨が降る夜に雨の名前を綴った頁を捲る。「名前」シリーズの中では比較的地味で、写真も過剰に美しく見せる気は感じられないのだけれど、その薄暗さや湿度の高さ、風雨の強さを感じさせる一枚一枚がこの国を語る。秋驟雨(あきしゅうう)、錦雨(きんう)、銀箭(ぎんせん)、黄雀雨(こうじゃくう)。美しい響きに胸が震える。この国は花に満ち、木々に満ち、水に満ち、そこに魂や神々を重ね、そして数多の天災と共に生きてきた。結果、膨大な数の呼び名が生まれ、今も静かに本の中で息衝いている。貴方が知っている雨の名前は、いくつありますか。

2020/07/23

いつでも母さん

このような本を読む(観る?)と四季のある日本・美しい言葉の国に生まれたことを実感しますね。日本中、雨の降らないところは無いのでこのように沢山の雨の言葉が出来たのでしょうか?悪さをする時もありますが、恵みの雨とも言いますし・・この雨の言葉達が濁った私の心を、つかの間きれいに流してくれたようです。

2015/07/05

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