若冲原寸美術館 100%Jakuchu! (100% ART MUSEUM)
若冲原寸美術館 100%Jakuchu! (100% ART MUSEUM) / 感想・レビュー
らぱん
「動植綵絵」全30幅。現物を間近に見ることができない作品を部分とは言え原寸大で見られることがこの画集の一番の魅力だと思う。逆に部分であることが、全体図で見ると構図や彩色の迫力で見過ごしてしまうところを補って知ることができるとも言える。また若冲の技術はもちろんだが、細部への心配りやちょっとしたいたずら心までも感じられ、絹地の裏からの彩色の効果もわかる。辻惟雄の解説もよかった。繊細で大胆で濃密な若冲の世界をため息をつきながら眺めさせてもらった。
2019/05/17
Sakie
母の誕生日に贈る前にこっそり読んだ。画集というものはそれだけで贅沢だが、これは絵の部分を原寸大でも載せる趣向だ。葉から滴り落ちる雪、鳥の一枚一枚の羽根の毛流れ、なかでも白の遣いかた。若冲の「動植綵絵」の原寸は、ほんとうに見応えがある。以前ニワトリの本を読んで疑問に思っていたことだったが、鶏は、古来日本では確かに鑑賞物だ。群鶏図の鶏たちの、なんと豪華な競演。雀から鳳凰に至るまで、一羽一羽に目があり、表情があり、意思があるように感じられる。母には老後の趣味として模写を勧めておいた。舐めるように楽しんでほしい。
2019/02/08
とある内科医
図書館より。見惚れる一冊。
2023/02/04
ひろさん
素晴らしいの一言です。若冲展に行きたいけれど、行列に並ぶほどの覚悟と時間がないので本を借りました。条幅サイズの作品の一部を切り取って原寸大で見せてくれます。 一つの作品につき4〜5カ所を原寸で見られ、会場では一幅の作品を数分以上みることは混雑で難しいでしょうから、細部をじっくり見たい方にはお薦めです。
2016/07/02
とよぽん
伊藤若冲は今年が生誕300年に当たる。春の上野の盛況ぶりが思い出されるが、この画集の一番の特徴は「原寸美」だと思う。『動植綵絵』30幅に描かれた花鳥、四季の植物、動物を原寸で見ると、細部の緻密な描き方が、若冲の生きものに対する慈しみと、それを表現したいという気迫や集中力が伝わってくる。大胆にして繊細、生きものの姿を多様な角度からとらえている。羽の一枚一枚、葉の葉脈、花弁などの描き方にも執念のようなものを感じる。熱心な仏教徒だった若冲は、『動植綵絵』を相国寺の荘厳に、と寄贈した。
2016/08/20
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