超写真論: 篠山紀信 写真力の秘密
超写真論: 篠山紀信 写真力の秘密 / 感想・レビュー
サイバーパンツ
宮川淳の言葉を借りれば「対象そのものではもはやなく、イマージュ、すでにそれ自体イマージュと化してしまった対象」を撮り続ける超写真家としての篠山紀信論。欲望の目玉となってスターを撮り続けたGORO時代から、VR的な試みを行っていたシノラマ、デペイズマン的手法で都市とnudeを融合させた『20XX TOKYO』、ドール写真に至るまで、その姿勢は一貫している。
2020/11/09
サトル
全国の美術館を超ロングラン巡回した篠山紀信展は圧巻だったけれど、そのタイトルとなった写真力の真髄に触れることが出来た。著者がまえがきで問う、なぜ50年以上も活躍しつづけられるのか、様々に題材を撮り分けて時代を代表する写真に仕立て上げる、その写真力にただただ卒倒される。印象的なセリフを備忘録として記しておく。「時代と寝るというか、いいとこ取りするためには、テクニックも表現も無限にあったほうがいいんだよ」「時代がよかったんだよ。もう篠山紀信みたいな写真家は出てこないね」。篠山紀信とは写真そのものなのだろう。
2022/11/01
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