アンデルセンの絵本 空とぶトランク
アンデルセンの絵本 空とぶトランク / 感想・レビュー
遠い日
怠け者の息子の、あまりにも自分に都合のよいことの成り行きに、このままで終わるはずがないという確信めいたものを感じつつ読み進む。あれよあれよとうまく行き過ぎるお話に首をひねっていると、やっぱり自分のしたことが自分の身に帰ってきた。かわいそうだが、自業自得。お姫様には気の毒だが、これでよかったと思えるアンハッピーな結末。
2018/07/08
ソラーレ
自分の力を為さずに手に入れたものは泡のように消えてしまう。そんな事を言いたいのかなぁ。儚い夢のような話。 ●アンデルセン著。道楽息子が親の金を使い切り貧乏になる。しかし、空飛ぶトランクを貰い世界を旅する。トルコのお姫様に気に入られ婚約することになるが
2023/06/04
マツユキ
角野栄子さん、スズキコージさんによるアンデルセン絵本。父親の遺産を使いきった若者が友人からもらったトランクは…。『火うち箱』を思い出し、覚悟して読みました。そんな都合の良い、いい加減なと思いつつ、最後は生きる道を見つけたのかな。もう一人にしても。作中作のマッチ棒の事もあり、モヤモヤしつつ、スズキコージさんの絵を含め、好きですね。
2019/10/04
ももたろう
労せずして手に入ったお金は、あっという間になくなる。それは、空飛ぶトランクだって同じ。しかし、主人公が、物語を作るのが上手いのには驚いた。アラビアンナイトのシェヘラザードみたいに、物語をうまく作る能力は生き残る上でとても貴重なものだと思った。
2024/01/23
timeturner
ふだんはあんなににぎやかに色を使うスズキ・コージさんなのに、ふつうの画家がここぞとばかりに鮮やかな彩りで描くであろうトルコの宮殿や町並みを、赤・青・黄3原色の色鉛筆だけで描くというへそまがりぶりに笑った。千夜一夜物語の中にアンデルセンの童話をまぎれこませたような話。これ《アンデルセンの絵本》シリーズなんだけど「文:角野栄子」と表記されているのはそういうこと?
2024/10/16
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