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誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ (小学館101新書)

誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ (小学館101新書)

誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ (小学館101新書)

作家
林真理子
山本 淳子
出版社
小学館
発売日
2008-10-06
ISBN
9784098250028
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誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ (小学館101新書) / 感想・レビュー

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鉄之助

タイトルに偽りなし! 『源氏』の魅力がビンビン伝わってきた。光源氏の年収は国からの給料だけで4億円、寝殿造りは巨大なワンルーム、とか紫式部の”不美人説”など、興味深い章が目白押し。「これは作家の勘なのですが、美人は作家になんかなりませんよ」林真理子が言うだけにやけに説得力がある。ちょうど同時代を描いた『月と日の后』(冲方丁)を読んだ直後だけに、この時代の光と闇がリアルに迫ってきて本当に良かった。

2024/08/11

さつき

源氏物語の研究者、山本淳子さんと林真理子さんが『源氏』について対談する形式。どのような経緯で書かれて広まっていった物語なのか。当時の政治情勢をからめた話しなど基本的な解説もたっぷりで分かりやすいです。林さんの作家さんらしい大胆な切り込み方が面白いし、山本さんのあとがきも読み応えがありました。

2021/11/05

夜間飛行

私が思うに、光源氏の「男」を中心に据えたのが田辺聖子、心理を重視したのが円地訳で、流麗な語りに心を砕いたのが谷崎訳(晶子と寂聴の訳は未読)。実に、万華鏡のような魅力を持つ物語である。しかし本書の示唆するリアリズムこそこの作品の肝かも知れない。源氏の若き日に口ずさむ歌、老年の嫌味な物言いに至るまで、細部の彩りの恐るべき豊かさ・深さに魅せられない読者はいないだろう。政治的なリアリティーはあの道長さえ虜にした程なのだ。そして、受領階級の女性への共感から書き始めた、つまり箒木巻から筆を起こしたという説には大賛成。

2014/04/14

しゅてふぁん

おおまかなあらすじと登場人物くらいは知ってるけど、ちゃんと読んだことはない源氏物語。毎年、年明けに‘今年こそは’と思い続けて早〇年、もう今年は(も)読まなくていいやと思っていたけど、この本を読み終えたら俄然興味が沸いてきた。光源氏の華麗なる恋物語、平安時代の政治を描いた一種の歴史小説、天皇家や摂関家などの公家文化の頂点の記録であり記念碑的な宝…やっぱり源氏物語は凄いなぁと実感。いつか私も、一条帝のように知的な興味を持ち、知と知で会話するように源氏物語を楽しめたらいいな。さて。谷崎源氏を読み始めますか。

2019/11/12

アルピニア

2008年の千年紀に合わせて執筆を依頼された林真理子氏と源氏物語研究者の山本淳子氏の対談。林さんの率直な疑問(顔も見たこともない人になぜ恋することができるのか?など)に山本さんが丁寧に答えるところが興味深かった。P188「『源氏物語』はリアリズムの物語だ。だがそれは、設定や出来事が歴史上の事実をなぞっているということではない。登場人物の心がリアルなのだ。(中略)その意味でリアリズムとは、普遍性といってもよいだろう。」千年も読み継がれてきた理由のひとつがこの普遍性だと思う。少しずつでも原文で味わいたい。→

2018/11/17

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