江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか?: 落語でひもとくニッポンのしきたり (小学館101新書 84)
江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか?: 落語でひもとくニッポンのしきたり (小学館101新書 84) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
今の学生たちが落語を知らないというのは驚きだった。本書は落語を手掛かりに江戸の文化や江戸人の生活を知ろうという試み。江戸初心者向けなので、ある程度江戸を知る人には、いささかもの足りないかも知れないが。でも、これを読んでいると、江戸っていうのは、今こそ回帰すべき何かなのだと思う。なんたって、現代には失われた「こころいき」ってものがあるのだから。
2012/07/02
funuu
江戸時代の平均寿命は35歳くらいだと言われている。寿命の短さが江戸時代の人々の人生を生き方考え方に与えた影響は、大きい。抗生物質もない訳だから人は簡単に死ぬ。老後もあまり心配ない。できるだけ元気な間にできるきることはしておきたくなる。それが時代の活力になって江戸文化となり開花した。 今は高校生が老後の会話をしている。人の人生としては江戸時代と現代とどちらが良いかは微妙だ。我々は今をできるだけ良く生きていきたい。
2019/12/31
さくらんぼ(桜さんと呼んでね)
先日、江戸東京博物館に一緒に行った友達に紹介された本。落語を元に江戸の生活が描かれている。博物館で、なぜこんなに火事が燃え広がったのか、人口が密集してるようだけど人々の暮らしはどうだったんだろうと謎に思ったことが理解できた。江戸時代は完全循環社会だった、修理して使う、排泄物ですら土を肥やす養分にするというのがかなり理想的に書かれている。また仕事が細々とありワークシェアリングされてたという。学力のないものでもそれなりの仕事はあった。今の世の中、便利にはなったが生きにくくなってるのかもしれないと思わされた。
2015/05/25
文章で飯を食う
一つ一つの話が面白くて短くて読みやすい。久しぶりに読み終わるのが惜しいと思った一冊。江戸はそれぞれの性に合った仕事の有るワークシェアリング社会だし、完全な循環社会だったんだな。その代わり身分は固定されているし、閉塞したところも有る。
2016/02/27
シュラフ
江戸の暮らしぶりがよく分かる一冊である。江戸時代、時刻の基準は日の出(太陽が昇りはじめる直前)と日の入り(太陽が沈んだ夕暮れ)であったという。それぞれ"明け六ツ"、"暮れ六ツ"と呼んだ。"明け六ツ"は夏場で午前4時、冬場で午前6時半、までなる。時の鐘を撞くので"ツ"という言い方。"五ツ"から"暮れ六ツ"まで働いていたという。もともと江戸人たちは日中の少ない冬場の労働時間が短かった。最近"冬うつ"というのが多いらしいが、現代人のリズムは江戸の頃と比べてくるってしまったのが理由かもしれない。
2013/02/25
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