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東京ヒゴロ (1) (ビッグコミックススペシャル)

東京ヒゴロ (1) (ビッグコミックススペシャル)

東京ヒゴロ (1) (ビッグコミックススペシャル)

作家
松本大洋
出版社
小学館
発売日
2021-08-30
ISBN
9784098611171
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東京ヒゴロ (1) (ビッグコミックススペシャル) / 感想・レビュー

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キク

素晴らしい作品を創作する作家を「天才だ」でまとめてしまうのは、安易なラベリングで逆に失礼じゃないかと思っている。思ってはいるんだけど、、、どうしても「松本大洋は天才だ」と思ってしまう。その松本大洋が、マンガ出版業界を舞台に中年マンガ編集者と、かつて天才と言われた漫画家達が新しい雑誌を創刊しようとする物語を描いている。当然、素晴らしい作品になっている。不器用だけど誠実にマンガに向き合う中年編集者が、なんか「ピンポン」のスマイルが社会にでた姿に思えてきて、すごく感情移入してしまう。大人に響くマンガでした。

2022/01/21

天の川

新作が読めて嬉しい。立ち上げた雑誌の失敗に責任を感じて退職した漫画編集者。自分の描きたい作品と世間の受けのはざまで苦しみ、新たな作品を生み出すのに七転八倒する漫画家たち。文鳥と会話し、こよなく愛する漫画本に埋もれて生きる塩澤さんは、彼ら個性豊かな漫画家達と真っ直ぐに誠実に向き合う。自分の納得のいく雑誌を作ろうと考える塩澤さんが依頼する漫画家達は挫折感にまみれた人々・・・彼らの物語がこれから始まる。本当に楽しみだ。

2021/09/07

キジネコ

30年出版社のマンガ編集者として勤務した塩澤が「私はそこにいるに値しない人間だ」と辞職します。勤勉で実直を文字どおり作家は絵に塩澤を具現します。仮構の世界の仮初の役割を担った塩澤が現実を真っ直ぐ見つめる物語が始まります。熾烈な競争の世界で摩滅し、本来の輝きを失った、忘れていた才人達の胸中の残り火が塩澤の真っ直ぐな視線と言葉に煽られます。彼らの胸の奥に往来する感情は痛みなのか?希望なのか?そして読者も仮構の世界で生きる自身を顧みて遠くを、近くを眺める事になる。何度も云いますが松本大洋は唯モノではないです。

2023/05/25

Tenouji

2022年のGW終盤に相応しい内容だった。理想主義とは『ナンバー吾』で決別したと思っていたのだが…やはり、そういうことなのか、と思う次第。「Man shall not live by bread alone.」

2022/05/07

ぐうぐう

読んでいて、寺田ヒロオと森安なおや、二人の漫画家のことがなぜか思い出された。漫画界に絶望し筆を置いた寺田と、再起を願い描き続けたが叶えられなかった森安。トキワ荘の住人だった二人の漫画家の、その対照的な生き様は、しかし自らの作風を頑なに守ったという点で共通している。『東京ヒゴロ』の主人公は、元編集者だ。編集者の目線から漫画を、漫画家を、漫画界を描こうとしている。ここには、漫画界の本流から外れた漫画家達が登場する。(つづく)

2021/09/05

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