川端康成・三島由紀夫往復書簡 (新潮文庫)
川端康成・三島由紀夫往復書簡 (新潮文庫) / 感想・レビュー
優希
川端康成と三島由紀夫の親交が伺えます。お互いに敬いあいながら、文学という芸術を描く者同士、同じ地点を見ているように感じました。川端のノーベル賞受賞により、儀礼的な手紙へとなっていくのは、2人の間に入った亀裂なのかもしれません。ただ、間違いなく文学者としての想いが通じ合っていたと言えるでしょう。
2016/11/10
けぴ
三島由紀夫と川端康成の文通。三島由紀夫から川端康成への手紙が多い。20以上も年下の三島に川端が丁寧に返信しているのが印象的。
2023/05/10
Gotoran
三島由紀夫が東大在学中に処女作『花ざかりの森』を川端康成に送り、昭和20(1945)年3月8日付の川端のお礼状をもって、二人の親交が始まったと云う、昭和20年(三島20歳、川端46歳)から始まり、三島が市ヶ谷自衛隊駐屯地で自死する45歳までに交わされた25年に亘る90余通の往復書簡集。三島の作家人生と同時に始まった川端との師弟関係を理解する上での貴重な資料であり、時系列でその関係性が微妙に変化していく様子が手に取るようにわかる。饒舌で魅力的な三島であり、お二方の美しい文章が非常に印象的であった。
2022/09/29
スプーン
ファン向け。デビュー前の三島の手紙が、既に「文豪ミシマ」である事に驚く。日本の過去と未来を背負い、逆説的に死んでいった三島さんの美学は、この書簡集からも感じ取れます。
2022/07/06
優希
再読です。川端康成と三島の手紙のやり取りから、互いに敬い合っているのが伺えます。文学という芸術を貫く2人は同じ所を見ているようにも思えました。川端のノーベル賞受賞は2人の間に亀裂が入った出来事なのかもしれません。ただ、川端と三島は想いが通じ合っていたに違いないでしょう。
2023/12/05
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