もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)
もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
春樹さまがスコットランド・アイラ島とアイルランドでウィスキーを求めて過ごした2週間の紀行記。土地勘まったくないし、ウィスキーのことはなおさらよくわからんが、彼の地の緑が目に浮かび、ウィスキーのふくいくたる香りが漂うエッセイ集。タイトルからして、春樹さまの言葉に対するセンスの光る。奥さまの撮ったという写真もなかなか素敵であった(悔しいけど)(笑)。
2019/12/17
ヴェネツィア
村上春樹は小説は言うまでもなくいいのだが、それと同じくらいに紀行文の名手でもある。今回のそれはシングル・モルトの故郷、アイラ島とアイルランドだ。旅を愛し、酒をこよなく愛する作者には最高の地。自分で試してみればわかるが、酒を語るというのは存外に難しい。村上は彼一流の比喩で、アイラの個性を例えば次のように語る。「バロック音楽でいう通奏低音である。その上に、様々な楽器の音色とメロディーがかぶせられていく」。また中には、なかなかにうまい格言めいたものもある。「世界には島の数だけ、島の悲しみがある」という風に。
2012/11/11
HIRO1970
⭐️⭐️⭐️15年程前の作品です。スコットランドとアイルランドを短期間周遊した際の旅行記ですが、ターゲットはシングルモルトウィスキーだったので、個人的に非常に引き込まれる内容でした。特に有名な見どころがある訳ではないが、後からジワジワと心の中に澱があたかも郷愁のように残る素朴な忘れ難い場所のようです。どういうわけかこれまで読んだ同じテーマの作品は全て著者が中年以降の男性でした。何と無く滅びゆくもののような感じがします。まあ、商業的に成り立つならひっそりと続けていける方が良いのかも知れません。
2014/05/06
優希
お酒が飲めないので、ウィスキーの芳醇な味や香りを心地よく愉しむというのがイマイチはまりませんでした。それでも文章から、その土地で上質なものを堪能することの贅沢は伝わってきます。きっとお酒が好きな人はこのエッセイの奥深さがわかるんでしょうね。
2017/04/29
mura_ユル活動
中古で購入。ウイスキーの匂いのする小さな旅の本。著者がアイルランドとスコットランドのモルトウイスキーを訪ねる。牛や羊のいるのどかな自然の写真が心にやさしい。あめ色になったバーのカウンター・設え、永く続いている習慣。こんなところで飲んでみたい。
2014/11/12
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