1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉前編 (新潮文庫)
1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉前編 (新潮文庫) / 感想・レビュー
zero1
【人は受け取ったものの代価を支払わなければなりません】この巻でもフクロウや妊娠、「空気さなぎは子宮」など天吾と青豆、両方のエピソードに繋がりがある。再読だとこの構成がよく見える。長い作品なのに飽きずに読めるのは、こうした地味な部分が効果的だから。少なくとも理由のひとつではある。もうひとつが牛河の章が加わり三拍子になったことでリズムに変化が。村上がいくら人気作家だとはいえ、長編を読ませる努力を怠ってはいない。次は最終の6巻。二人は再会できるのか。喪失からの再生に期待する!
2020/01/20
遥かなる想い
最終に向かっての静かなる展開。青豆のおなかに宿る小さな生命は少し唐突な感じだが、村上ワールドならば許容範囲か。
2012/07/08
tokko
出会うことのない天吾と青豆、二人と「さきがけ」とに直接的に結びついている牛河。『ねじまき鳥』の牛河とは、似ても似つかないほど人間味がある。天吾と青豆のドアを叩くNHKの集金人は一体誰なのか?ねじれ、錯綜する1Q84年の空間に出口はあるのだろうか?とうとう最後の一冊になってしまった。
2012/06/04
こーた
孤独。人物たちが接近し、交錯しそうでなかなか出逢わず、どころか各々は部屋へ引き籠って動かなくなる。天吾は猫の町で本を朗読し、探索に動き回っていた牛河は監視に腰を据え、青豆にいたっては一歩も外へ出ていない。ステイホーム。都市生活者の孤独がよく顕れている。動かないから退屈かというと全然そんなことはなくて、イメージは喚起され、収束へ向かって話はどんどん進んでいく。いや、ひょっとすると収束なんかせずに、まるで見当違いの読みをしているようにもおもえる。いずれにせよ、あと一冊。終わってしまうのがすこし寂しい。
2021/09/10
扉のこちら側
初読。牛河の視点で語られるとは予想しなかった。「小さなもの」とNHKの集金人、どうなっていくのだろう。
2012/09/24
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