小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫)
小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
春樹さまのクラシック音楽の知識に冒頭から圧倒される。「あくまで門外漢」と言いながらも、世界のオザワとの見事な会話のキャッチボール。世紀の指揮者の成り立ち、音楽との向き合い方、果ては彼の交友関係まで丸裸にしてしまう。わたしがクラシックのコンサートに通っていた当時、「バーンスタイン最後のコンサート」というチケットを取ったはいいが、彼の健康状態悪化のためキャンセルになったんだよなぁ、なんてことを思い出しながら読み終えた。次はここで取り上げられた作品をじっくりと聴き込みながら、再読したい。
2020/08/14
kaizen@名古屋de朝活読書会
新潮百冊】指揮者の小澤征爾の娘と村上春樹の妻が仲が良くて実現した対談。どちらが好きな人でも、為になる話が多い。指揮者と交響楽団についていろいろ分かる。バーンスタイン好みなので興味深かった。蓄音機愛好家のための話ではないとのこと。できれば話題になっている曲を聴きながらだと納得感が増える。サイトウキネンは余り聞いたことがないので聴きながら再読したい。音楽CDが愛知県内の図書館でに9カ所もあることを知る。残念ながら近くにない。対談CD(DVD)があるといいかも。
2014/07/02
まふ
先日大江健三郎との対談集「同じ年に生まれて」を読み共感するところ多々であったのでついつい想い出して再読してしまった。本書は村上氏の博識ぶりが際立っているものの、大江氏との対談で見られた「音楽の本質」に関わる小澤征爾氏の「音楽論」というよりも有名指揮者およびオーケストラの「演奏聴き比べ」的な内容が中心であり、今一つ期待するほどの感動は得られなかった。だが、小澤征爾氏の徹底的な探求心と努力、飾らない愛される人柄がその地位を築き上げたことはここでも確認できた。
2024/04/24
扉のこちら側
初読。2015年1216冊め。もう目次の段階で好きな曲ばかりでそわそわしてしまった。大半は知っている曲の、聴いたことがある指揮者/奏者の話で「そうそう」「そうなのか」等々、楽しんで読めた。高校時代はグールドにはまっていたのを懐かしく思い出した。あの頃は(親のお金で)音響もこだわったなあ。
2015/12/17
はたっぴ
グラミー賞を初受賞した小澤征爾さん。闘病から復帰し、80歳での受賞とのこと。このメモリアルを胸に刻みたくて手に取った。村上さんとの対談ということで楽しみに読み始めたのだが、ただならぬ面白さだった。村上さんによる導入部分と後書きが小説の一節のようで印象深い。そこに小澤氏の音楽熱が相俟って極上の対談集となっている。小澤氏が「○年の○○の演奏が…」と言うと、村上さんがガサゴソと自分の棚を探して魔法のようにそのレコードを取り出すのがおかしかった。村上さんの巧みなインタビューでエピソード満載のお宝本となっている。
2016/03/03
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