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ニセモノの妻 (新潮文庫)

ニセモノの妻 (新潮文庫)

ニセモノの妻 (新潮文庫)

作家
三崎亜記
出版社
新潮社
発売日
2018-12-22
ISBN
9784101003719
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ニセモノの妻 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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相田うえお

★★★☆☆19084 ①マンションに引っ越してから、なぜか他の住人の誰とも会わない。。夜、外からマンションを見ても我が家以外窓の灯りが真っ暗。。気になる〜。②人もアメーバみたいに分裂したら、どちらが自分だろ?などと考えた事はありますが、まさにそんな感じの話!アメーバじゃないけどね。③『坂』とは『斜面を人や交通機関等の利用に供するために道路として利用する形態』なので、人が通れなくなったり、通行出来なければ、坂は斜面に戻ってしまう!と。④断層の話で始まったので地盤のことかと思いきや、時空の断層だったか。。

2019/09/06

佐島楓

そこここに転がっている社会問題を、先鋭化した形で小説に仕上げている。そこにうまく恋愛とSFを絡めている。いずれの短編も共同体にコミットしようとしているという意味で、社会派と呼べるのではないだろうか。いつもながら興味深いテーマの数々だった。

2019/01/11

スカラベ

不条理な日常を描き出す三崎ワールド。今回、奇妙な世界への4つの扉を開けてしまうのは4組の夫婦。表題作や「坂」では、本来は血のつながりのない微妙な距離感の夫婦の絆について考えさせられる。ある日突然、自分がニセモノだという妻。数年前から忽然と「ニセモノ」が現れだした。正式な学術名称は「突発性真偽対分離症」。もちろん、本当にあるわけではない。相変わらずの突飛な発想に戸惑いそうになる。「断層」では、バカップル的なテンションの会話が続き、やや辟易とさせられたが、それが逆に涙を誘い、喪失の瞬間の切なさに輪をかける。

2019/04/07

Shoji

夫婦が主人公となる四つの短編集です。いずれもパラレルワールドが題材となっていて、非現実的なストーリーですが、引きこまれる様に読みました。禅問答のような世界であったり、時間軸が歪んだ世界であったり、虚構と事実が錯綜する世界であったり。不思議な世界観を味わいました。面白かったです。

2018/12/31

dr2006

日常に潜むどこか致命的にズレたシュールな非現実。この三崎ワールドにまんまと主観が脅かされ引き込まれた。表題作「ニセモノの妻」他全4編。帰宅すると本物と寸分違わぬ妻が「もしかして私、ニセモノなんじゃない?」と云う。妻は突発性真偽体分離症を患い、偽物が現れたようだ。法的に偽物は物として廃棄されるが、夫は偽物と協力し行方不明の本物の妻を探すことにした。だが偽物への愛着も感じ始める。人は主観だけで本物を見抜く力が弱いから、法や社会通念やネットの情報に頼っている。だけど結局、本物と認める決め手は人の心なんだろうな。

2021/09/08

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