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こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)

作家
夏目漱石
出版社
新潮社
発売日
2004-03-01
ISBN
9784101010137
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こころ (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

何度目かの再読。今回は「語り」に注目して読んだ。『こころ』は「先生と遺書」にばかり目を集めがちだが、それはテキスト全体の1/3。下は先生の語りだが、上・中は「私」の語りである。では、私はそもそも誰に向かってこれを語っているのか。その時勢はすべてが終わった"現在"である。先生の奥さんに真相を吐露しているのだともとれるし(この場合は先生の遺言を表面上は裏切ることになる。ただし、先生の真意はまた別だ)、私の次の世代の人々に語っているとも言える。また、この作品にはたくさんの"死"が語られる。⇒

2020/05/21

読まず嫌いしてたのを後悔しています。夏目漱石すごい、こんなの書いてたなんて、流石お札になるだけの方だなあと思いました。上・中と、下でまったく違う本が出来そう。全部先生の視点で進んでいくので、Kの思いや奥さん・お嬢さんの気持ちは描かれていないけどそれぞれの立場から書くと違う話ができそう。そして、登場人物は皆、あの「叔父さん」になっていると思います。 私には、先生のやったことはすべて叔父さんのしうちにつながっていると思います。

2014/10/25

Kircheis

★★★★★ 自分の中では死ぬまで絶対に忘れないであろう本。 これに対するアンサーとして、武者小路実篤の「友情」があると思う。

2018/01/10

酔拳

再読です。年末に読みたくなり、てにとりました。自分は果たして倫理的に正しく生きているのか?振り返るのに、いい作品です。 人はどんな人でも、ここというときに、倫理に反したことをしてしまう。先生が叔父さんに裏切られた事、先生がKの気持ちを知りながら、Kをだしぬいてしまったこと等。倫理観・エゴイズムとは何か?を考えさせられます。私も、日々の自分と照らし合わせながら、自分は果たして、倫理的に生きているかどうか?反省することができました。

2019/01/02

ehirano1

この歳になって読み返してみると、心臓を鷲掴みにされるような悲劇的恋愛小説でありながら、そこに時代変遷による価値観の相対化を融合させることで、方丈記をミクロで描いた超高度な作品ではないかと思うに至りました。

2024/03/10

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