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平凡 (新潮文庫 草 14-1)

平凡 (新潮文庫 草 14-1)

平凡 (新潮文庫 草 14-1)

作家
二葉亭四迷
出版社
新潮社
発売日
1949-05-01
ISBN
9784101014012
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平凡 (新潮文庫 草 14-1) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

非常に私好みの小説だった。今は役人として生きている元作家のぱっとしない人生。自己陶酔や華麗なレトリックを排した飄々とした文体が魅力的で、現在で使われている日本語の源流の一つという気がする。自然主義文学に対する皮肉も面白い。どこまでも散文的な作品なのだけど、行間からほろ苦い詩情が立ち上がってくるところに一番惹かれた。

2014/03/15

メタボン

☆☆☆★ 解説で言うほど失敗作とは思えない。この頃の小説としては新鮮な文章だったと思われる。一言で言えば「自嘲から生まれる軽み」のような感じを受ける。下宿先の娘に告白できず悶々とするところや、年増の女の魅力に抗えず父の死に目に会えなかったりするところが、極めて人間味があって、さもあらんと思ってしまう。読み友が書いていたが、確かに太宰に近いかもしれない。

2020/03/22

多田幾多

ああもう、なんて哀れで恥ずかしくてめんどうなんだろう。或るモテない男の恥と後悔を牛の涎のように反省を語る内容なのだが、分からないようで、共感出来るとこもある。モテないのに、童貞なのにいっちょまえにプライドは高く、でも女にはすっごくモテたくて、お金ないのにお金を注ぎ込むところとか、もう今の男に当てはまりますよねwこの本を読んでいて、ある友人を思い浮かんでしまい、さらに感情移入してしまった…まあ、一言で言うなら、男は今も昔も変わらない、だね。

2014/02/27

マッピー

二葉亭四迷と言えば言文一致体。さぞかし読みにくいのではないか。と思ったら、めっちゃ読みやすいの。そして、面白い。本人は「自然主義文学」を書くと言って書いているのだけど、いわゆる自然文学の、うじうじと自身の問題に拘泥しているような勝手なイメージを持っていたけれど、この作品は違う。確かに自身の情けなさを綴っているのだけど、どことなく軽やか。それは、自分を嗤う目をもって書いているからではないか、と思った。自虐系ブログみたいな面白みがあったから、今でも通用するんじゃないかな。

2023/10/25

たかぼー(人身御供)

小説風牛の涎式自伝。若いころのよくある話。思い出したくもない恥ずかしい過去をダラダラと振り返っているが、かなりのところで共感できる。若い時分の失敗は、年を取って漸くわかるものだ。失敗しない生き方を学ぶ書ではなく、大いに失敗して落ち着いてから読むと面白いだろう。自分の気持ちがこうしてわかり易く文章化されると整理もつきやすい。

2012/11/10

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