火のないところに煙は (新潮文庫)
火のないところに煙は (新潮文庫) / 感想・レビュー
馨
『妄言』は別の本で読了済み。でもこの話の裏にはこんな奥行きがあったのかと新鮮でした。どこまでが本当の話か途中分からなくなる短編ホラー。これを書いた芦沢さんしかり、これを読んだ私までも何かに取りつかれるのではないかと少し怖くなりました。
2021/09/24
ナルピーチ
天井に見える小さな染み。毎日の様に眺めていると、いつの間にかそれは広がって、やがて色濃くなっていく…。1話目『染み』から始まる5つの怪談話。これは実話?!それともフィクション?!そのリアリティのある筆致に身震いを寄せつつ読み終える。結局のところはどっちなんだ?疑問に思うが、本書は何度も読み返してはいけない。考えてはいけない。だってこんなことわざがあるでしょ。『火の無い所に煙は立たない』根拠を探してはいけない。自ら火を起こしに行く必要なんてしなくていい。深読みすればする程、怖さはどんどん色濃くなっていく…。
2022/03/16
あきら
夏になってきたので、怪談が読みたくなる。 単なるホラーでない、ミステリー要素も強い作品でした。怖さというよりもちょっとした違和感を感じながら読み進める感じでした。 人はなんとか理解できるように落とし込もうとする。勿論自分も含めて。スッキリとした答えを求めたくなる。 とにかく夏の夜にぴったりのお話です。 面白かった。
2021/07/16
Kanonlicht
著者本人が聞いた怪談という体裁の連作短編集。それぞれはまったく別の話だけれど、最後に実は…というのはお決まりのパターン。芦沢央といえばイヤミス。思ったとおり、こういうジトっとした怪談との親和性が高い。直接的な恐怖より、なんとなく読者を不安にさせる展開はさすが。昔住んでたけど、東京の真ん中にあるにもかかわらず神楽坂って確かにちょっと異界っぽいイメージ。
2022/02/06
bannai
芦沢さんの本はこれが初めてでした。ノンフィクションだとしたら、まだまだ続きがありそうですね。怪談というと映像で見ることがほとんどで、書籍でこのように読むのは初めてでしたが、映像とはまた違った怖さがあるということを知ることができました。
2022/11/29
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