阿部一族・舞姫 (新潮文庫)
阿部一族・舞姫 (新潮文庫) / 感想・レビュー
ehirano1
安部一族について。極端な能力主義が生んだ「悲劇」の1つと見ることも出来ます。しかし、その極端な能力主義も難治国故の1手段でしかなく、ちょうど時代の転換期が重なったことから、その「悲劇」は「時代の転換期に必要とされる生贄(これは佐藤優氏が自身の経験も交えてよく言っています)」と見ることができるのではないかと思いました。そしてこの悲劇の背後にあるはずのビハインドストーリーは一体どういうものか大変興味が湧きます。
2023/07/09
ykmmr (^_^)
鴎外の醍醐味小説集。実は鴎外以外のモデルがいると言われている『舞姫』。内容は恋愛小説の割にさらりとして簡潔。ヒロインの狂気を表現するのに、なかなか女心の立場に立てなかったかな。時代は違えど、この部分は太宰だったらどう表現したかな?と考えてしまったり。 『阿部一族』・『堺事件』は鴎外得意の歴史編。何処か『死』を美学にする日本でも、『殉死』については戦国や江戸時代初期ではすでに賛否両論。この後に、将軍綱吉が実際に禁止をする事になる。皆さんと同じ、私も『鶏』が好きかも。
2021/08/17
ちくわ
【阿部一族】阿部姓は、天皇の料理番を意味する『阿倍』に由来するそうな。自分は日本史好きなので『阿倍比羅夫』を思い出す…名前がピラフみたいで印象深い。 感想…忠臣蔵の逆バージョン?恥を嫌悪する武士の尊厳(プライド)がこれでもか!と迸る。確かに武士道の精神は美しい…だが、その美しさは多くの命を散らせる残酷さも内包する…昔訪問した知覧では複雑な思いに駆られた。 後で『仁義なき戦い』の深作欣二監督が撮影したドラマ版を観たが、相当出来が良く最後まで面白かった。しかも全編熊本弁!翻訳無しで味わえる九州人の特権に感謝。
2024/10/04
カブトムシ
私は高校時代帰宅部で、信州の山奥に家があり、一番近くの高校への通学に、1時間近くかかりました。やっと舗装工事が始まったばかりで、がたがたバスが揺れて、読書はしなかった。家に帰って受験勉強もあったが、読書をしました。森鴎外が一番好きで、もちろん活字で読みました。「舞姫」の教科書の原文もそんなに難しくはなかった。後に加藤道子さんの全文朗読のカセットテープでも何度も聴きました。そのカセットテープには「最後の一句」の上田みゆきさんの朗読もあり、今でも聴いています。ユーキャンのCDやYouTubeも聴いています。
優希
『舞姫』の印象が強いです。現代文の授業で読み込んでいましたが、やはり小説として読むと違いますね。恋より出世を選び、裏切られたエリスが発する一言に打ちのめされました。他の短編が薄く見えるほどの衝撃作と言っても良いですね。
2023/11/30
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